oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

サトラレは実在するか?

同居の義父は85才の高齢で全盲である。
そのうえ最近は耳まで遠くなり、鋭敏な感覚も失われつつある。
今朝ご飯のスイッチを入れ忘れていた私は30分遅れの朝食を義父に出し、
自分は会社へ出勤するための準備で急いでいた。
義父は私が部屋にいることに気づかず、
「やれやれ急かされるのう。ご飯もゆっくり食べれん。」と大きな独り言。
冷や汗をかきつつ私はその場をソ〜っと抜け出した。
義父は見えないため私に気づかずよく小言をこぼしている。
ささいな事もあれば、聞いてむかついたり落ち込む事も。
出勤前、私は義父に
「今朝は遅くなってすみません。落ち着かなかったでしょう?」と声を掛けると、
義父は笑顔を見せながら
「いやいや、あんたこそ忙しかったろう」と言う。
義父の調子の良さに思わず笑い、車に乗り込んだ。
結論。我が家ではサトラレは実在する。
しかしドラマやマンガで見るより案外つきあい易い。