oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

ビギナー7『アンパンは誰が食べた?』(2003.11.17)

と、先日我が家でもちょっとした騒動がありまして、
私が帰宅すると、じいちゃんが食べようと思っていたアンパンが無いと孫にあたる私の娘に
「食べたの?食べた?」と聞いているところでした。
犯人にされた娘はムキになって探しましたが見つからず、
結局いつもと違う引き出しに自分で入れてそのまま忘れていた事が後で判明いたしました。


・・・と言う我が家のような話ではもちろんなく、
長年連れ添った体の不自由な夫婦が職もお金もなく路上生活者となり、
食事も満足に摂れない状況で体が弱った妻がついには生きる意欲を無くし、夫に「殺してくれ」と懇願。
その後夫に殺害されるわけですが、犯行が行われる直前に夫が最後のお金で買ったアンパンは
桐原(堤真一)が言うように「夫が一人で食べた」のか?
それとも羽佐間、他の修習生が言うように「最後の食事として妻に食べさせた」のか?
という所から付いたタイトルであります。
夫は妻が邪魔で殺したという桐原と、止むに止まれぬ状況で妻を不憫に思って殺したという他の修習生達。
年齢も性別も歩んできた道のりも違う6人の受け取り方や考えが違うのは、こりゃ当たり前でしょう。
なのに「何故こう考えないんですか!」と大勢で桐原に詰めより、
「所詮勝ち組コースを歩んできた桐原さんには分からないんだ!」
と事あるごとに言うのは正直ウザス!と思いました。
や、でも「何故分かってくれないんですか!」と拗ねた顔で桐原を下から睨む羽佐間君や、
「桐原さんのこと分かっていたつもりだった・・・」とヘコむ羽佐間君は大層可愛かったですー。
ヤケになって楓ちゃんを誘い、お酒を飲みに行きたくなるほどヘコンでるのね。
そんなに睨んでもぜっんぜん怖くないのよ。
あーもうーカワイなーカワイー!(←そんな感想でいいのか!?)


いろんな人間がいるからいろんな意見があって、いろんな視点から事件を検証出来る。
徹底討論して他の人の意見を聞いたり言い合ったり、真実を導き出そうとすることは大事だと思うけど、
(それでも事件の当事者本人達にしか分からないことってありますけど)
自分と意見が違うからと行って「アナタには分からない」という方向にいくのはどうなんだろう?
日本でももうじき裁判員制度が始まりますが、ディスカッションに不慣れな私たち日本人が、
話し合うことを途中で放棄して「所詮、アナタには分からない」という風に流れる様子が、
なんとなく想像できるのであります。