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「小次郎つばめ返し」

“母”とは人間の最高位かもしれない

「小次郎ちゃ〜ん、小次郎さ〜ん、小次郎様」と、呑気な声で呼び続けるじいちゃん。
行かないで無視していると、ドンドンと位が高くなるのがオカシイ。
じいちゃんは洋式トイレで用足し中であったが、
温かい便座に座ってウトウトしているうちに、そのことをスッカリ忘れているようである。
仕方なくトイレに踏み込むと、
「いつ須川へ行く?」と前後不明な問いかけ。
???
須川とは、この家に婿養子に来たじいちゃんの故郷だが、
あまりの唐突さに「ん?ど、どこ?」とワタクシ。
「お母さんのところ。」とじいちゃん。
未だに生きていると思っているのか、墓参りに行きたいのかよくわからないが、
92歳のじいちゃんの中で一番最後に残っているのは「故郷=母親」らしい。
“お母さん”とは人間にとって、かくも偉大なものなのかと改めて知るのであった。