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「小次郎つばめ返し」

蛙の子は蛙

キバコさんの目下の悩み事は、娘のカナエちゃんが真っ直ぐ過ぎることであります。
誰に対しても理屈の通らないことや、理不尽な事には徹底して抗い、
他人同士の諍いがあればあれば割って入り、
事務員として勤める中学校の男子生徒相手に同等に喧嘩する始末。
そのくせ、誰彼無く「おじちゃん」「おばちゃん」と懐くため、
周囲の人たちに愛される肝っ玉姉ちゃんなのである。
「逆恨みとか怖いし、いい加減にしといたらと言うんだけど・・・」
と愚痴る母キバコさんに、同じ子を持つ親として同情の念を抱くのであります。


新年明けて早々の昨日、御年80歳になるうちの常務が、
会社の階段の中段から仰向けに落ちて頭を打ったため救急車を呼んだのですが、
距離にして10km、車で約7〜8分の消防署から救急車がなかなか来ない!
30分にもなろうかという頃、ようやく逆の方向からやってきたのであります。
遅くなった理由が道を間違えたと。
しかも「どこの住所を暑に連絡されたんですか?」とまるでこちらが悪いような言いぶりに、
「番地までちゃんと言ったのにプロならちゃんと把握せんかい!
 自分が間違えておいて!一刻を争う状況だったら死んでるぞ!」
あいつ、バーカバーカ!と猛り狂うキバコさんをようやく工場内で押しとどめたワタクシは、
この様子をケータイムービーで撮ってカナエちゃんに送ってやりたいと思うのでありました。