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「小次郎つばめ返し」

私から逃げるものに追いすがるのは、男もタクシーもイヤなもんです

最初に叔父が駆けつけたのを見届けると、
母を残して、私は一度帰宅することにしました。
いずれ母の6人兄弟が次々と到着する事でしょう。
病院の公衆電話に貼り付けられた「つばめタクシー」を呼んで、
涙顔のまま病院前で待つこと五分、右方から黒塗りの「つばめタクシー」がやってきました。
タクシーを認めた私が車道に近づくと、タクシーは歩道に横付けして窓を開け、
「小次郎さんですか?」と問うので「そうです」と答えて乗り込もうとすると、
タクシーはノロノロと車道に戻って行きました。
?  ?  ?
病院前は信号機付きの横断歩道。
そうか、ここでは停め辛いのねとやや小走りでタクシーの後を追うと、
安全地帯と思われた場所もスルスルと通り過ぎて、なおも遠慮がちに進むタクシー。
あ、あれ?まだ前??とタクシーに併走する私。
タクシーと一緒に走って約50m、
タクシーは追いつけそうなスピードのまま左折して、
とうとう見えなくなってしまったのであります。
歩道に一人取り残されて唖然とする女。
数分後、その私の後ろから別の「つばめタクシー」が横付けしたのでありました。
無線で呼び出されたのは、後から来たタクシーの方だったようです。
なぜ最初のタクシーの運ちゃんはそう言わない!
涙顔の女が自分を追って走ってくる姿が怖かったからでしょうか。