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「小次郎つばめ返し」

私も入院中はそうでした

私たち社員の名前もうろ覚えになった85歳の社長は、
雨の日も、雪の日も、かんかん照りの日も、日曜祭日でも、律儀にお昼前に会社へやって来て、
弁当とワンカップをテーブルの上に用意し、時計とにらめっこでランチタイムを待つ。
じっと弁当を見ながらひたすら待つ。
話しかけても反応がないほど集中して待つ。
腹が減っているなら早めに食べても責める人はもはや誰もいないのに、
社長は時間がくるのを待ち続けるのである。
おそらく「腹が減ったから食べる」のではなく「昼ご飯の時間が来るから食べる」のだろう。
まるでそれが目的のように。
何もしなくていい、何もする事が無い、時間を気にしなくていい、
そんな時も人は知らず知らず自分で制約を作ってしまう。
生きている限り人間は時間に支配され、そうしなければ生きていけないのかもしれない。