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「小次郎つばめ返し」

と言いつつ、バアちゃんの話ですが、

「電気屋さんに何か工事を頼んだ?」と義母が問うので、何故そんな事を聞くのかと逆質問したら、
「今日、紺色の工事服を着て眼鏡を掛けた男が、ボストンバッグを持って隣の部屋へ入ってきた。」と仰天発言。
旦那が急用で帰って来たのだと思った義母が、何度も声を掛けて読んだけど応答はなく、
よく見るとその男はヘッドフォンのようなものを付けて、外部と連絡を取っているようだった・・・という。
男は11時からお昼の1時くらいまで居てマッサージチェアに腰掛け、ひたすら外部と電話で話をし、
昼過ぎにバッグを残して一旦家から出たというのだ。
その2時間もの間、義母が何をしていたのか?
身を固くして成り行きをみていたのか?・・・というと、そんな緊張感も無く、気づいたら居なかったというのだ。
「ヘルパーさんにはその事を話した?」と聞くと、言わずに世間話をしたという。
そんな不審で怖い出来事があったすぐあとに、楽しく世間話が出来るんだろうか?
ヘルパーさんが帰った後、男が再びやって来て荷物を持って帰ったというが、
聞けば聞くほど、なんだか合点がいかない。
駐在所に相談に行ったら、すぐに警察の方が家へ来て、義母の話を丁寧に聞き、部屋を見たあと、
「こんな事初めてなんですよ。」という私に
「ええ、こういう事がこれから増えるかもしれませんね。」と謎の言葉を発したが、
私はそれで全てを理解したのである。
「他の部屋に変わった様子は無いですか?」と問われ、各部屋を確認したが、
大変な事になっていた娘の部屋は、この件とは無関係のようだった。