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「小次郎つばめ返し」

待つことは難しいけど、きっと大切なのだ

初々しい女子中学生の職場体験が終わり、職場はいつもの熟成した(成熟というより)女子だけになってしまいました。
彼女は中学校でクラスに馴染めず、クラスメイトの授業が始まる頃に登校して一人だけ別の教室で授業を受け、
またクラスメイトと顔を合わせないで早めに帰っていくのだと言うことでしたが、
職場でも自分から話し掛けることはなく、「好きな芸能人は?」とか「絵を描くの好き?」などの世間話でも
私たちと目を合わさず困ったような微妙な表情で黙ってしまうのであります。
しかし、仕事の飲み込みが素晴らしく丁寧で早い!
私たちは彼女をアテにし、彼女もそれが嬉しそうでした。
あるとき郵便局へ切手を買いに行く仕事を主任が頼むと
彼女は目の前に置かれた封筒をジッと見つめ、いつまでも固まったように動かない。
「嫌だったら別の仕事があるけど・・・」
と聞いても顔を上げず、ひたすら封筒を見つめているだけでした。
おそらく行きたくないんだろうと言うことは薄々分かってましたが、敢えて見ぬ振りをして
オバさん達は女の子が意思表示するまで辛抱強く何分も待ったのであります。
しかしその後も彼女からどうするかという返事は貰えず、とうとう私たちから違う仕事を頼んでしまいました。
彼女はyesの時はすぐに「はい」と言えるけど、noの時は「いや」と言えないようです。
断って相手に嫌われたくないという気持ちから返事が出来ないように見えました。
おそらく私たちも含め彼女の周りの大人達はいつも彼女の返事を待たず、察しては先回り先回りしてるんでしょう。
断ったり否定することは誰でも勇気の要ることですが、
「いいえ」と言えた時に、彼女は何から自由になれるんじゃないかとなんとなく思うのであります。