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「小次郎つばめ返し」

お願いだから、芋たこなんきんは見させてください

昼休み、いつものようにゴロリと横になってテレビを見ていると、
社長がのそりと顔を出した。
階段を上ったせいか体中を上下させながら息苦しそうだ。
「あんたのお義母さんの杖を借りたままだが、返さんでええかいの。」
社長は去年腰を悪くして以来すっかり足腰が弱ったため、
家に2本あった義母の杖を、こっそり1本社長に貸している。
「あれのお陰で歩くのが大変楽になった。よくお礼を言っておいてくれ。」
内緒だからお礼は言えないのだが、わかりましたと返事をした。
実は今日で4回目のお礼だ。
その後は「わしが満州におった頃・・・・・」
と、いつものように唐突に戦争体験の話が始まるのだ。
数年前から頑固気質に拍車が掛かり、最近話のつじつまが合わなくなった社長は、
なんとなく職場をフラフラと歩き、誰彼になく戦争話を始め、
その姿は往年の「老犬ハナちゃん」(http://d.hatena.ne.jp/usagitokeme/20050310)を思い出させる。
ハナちゃんと同様、この職場のメンバーで社長の人生を見届けることになるんだろうなと、
みなうすうす感じ始めている。