oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

んじゃ、定時に出勤して仕事してください

うちの仕事場は1階が印刷・製本仕上げ、2階が制作で、
薄い天井をはさんでイムジン河が流れている。
特に「長くこの仕事をやってきた」というプライドの高いお局サッチーと制作部は、
日々何かと衝突しているが、イムジン河のお陰でなんとかお互い距離を保つことが出来ていた。
しかし7月いっぱいで製本の従業員が一人辞めてしまったため、
「製本仕上げ」がサッチー1人になってしまったのある。
さすがに手が足りず、制作の合間に主任やキバコさんたち制作部の強者どもが
ドヤドヤと1階に降りてたちまち製本部を占領、
いつものように重役出勤をしてきたサッチーが会社に着いた頃には
その仕事をほとんど終わらせてしまっていた。
「この仕事は私でないと出来ない」と日頃から豪語しているサッチーの立場はなくなり、
梱包して納めるばかりになった品物とキバコさんの間をウロウロしていたが、
キバコさんが納品伝票の検印欄へ自分の名前をサインすると、
「ここのサインは一番シンドイ思いをした人の名前を書くものだ。」
と訳の分からない難癖を付けてきた。
普通検品した人が責任を持ちますよと言う意味でサインするんじゃないか?
要するにサッチーは「この仕事は私でないと出来ない」と言っていた仕事を
専門外の制作部がやってしまったことが気にくわないらしい。
サッチーにとって仕事をこなした後、この検印に自分のサインすることがとても大切な儀式だったのだ。
「いやこれは私が最後に確認したのでサインは私がします!」
いささか大人げない感じのこの戦争は相手の出方を見極めつつ、おそらく今日も続くのである。