こんな親にはなりたくない

「専務明日ですね、ちょっとお休み貰っていいですか？」
「まぁ、用事があれば仕方ないねえ。」
汗を拭き拭き専務が私の顔を見る。
また、ばあちゃんに何かあったか？という表情だ。
「ええ、T○KIOのチケットを取ろうと思いまして。」
専務が神妙な顔なので、私も神妙な顔で言ったら
「バカかぁーーーーーー！！！」
暑いんだから余計暑くなりますよ。
「だってここから電話掛けるワケいかないから仕方ないじゃないですかっ！！」
訳の分からない理由を堂々と掲げ、逆ギレの私。
「本人に取らせればいいじゃないか！？」
「テニスの試合でいないんですよ。」
言葉に詰まった後、「何か違うぞ。それは何か変だ。」と呟く専務。
ものすごくごもっともです。
「じゃ、こうしましょう。土曜は午前中勤務だから、午前中休んで代わりに午後から出勤する。」
うーーーん・・・と唸りつつ渋々オッケーをもらった。
しかし退社までに私の大方の仕事は済んでしまい、
人件費削減のため、結局土曜日はまるまる休んでいいということなったのだ。

これでチケ取りに専念できると帰宅してみたら、ソファーでグッタリの娘。
試合に負けたのね・・・。
旦那が「明日は試合に行かなくていいのか？」と脳天気に声を掛けると
「試合に行かなくていいんじゃなくて、行けないの！」ムッとして答える娘。
よって今日はチケ取りもしなくていい、思わぬのんびり過ごせる休日となり嬉しい私であった。