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「小次郎つばめ返し」

相づちばかりで話題が広がらない場合は私が忘れてると思ってください

忘れっぽいというのは自分の個性だと思って(開き直って)いたが、
最近の忘れっぽい以前に覚えられないという事態に危機感を募らせている。
特に「新しい人の顔を覚えるメモリー」容量がもう限界らしい。
昨日も小雨が降る中、薬局へ小走りで入ろうとすると、
中から出てきた女性と丁度入り口で鉢合わせになった。
『あ、見たことある人だな』と思っていると
彼女は私の顔を見て笑顔で「バァーー!!」と両手を広げて通せんぼしてみせたのだ。


「これって相当親しい人だよねえ。」
「そりゃ向こうはムチャクチャ親しいつもりだよ。」とキバコさん。
全然思い出せない・・・・。
「あははははー!と笑って『こんにちは!!』と誤魔化したよ。」
私はその親しいであろう人に大変申し訳なく、気の毒なことをしたと思っていたが、
主任やキバコさんはむしろ私の顔を「お気の毒」といった風に見つめていた。