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「小次郎つばめ返し」

[世界遺産]白神山地

今年最初の世界遺産は少しアップテンポでハイキーなナレーションで始まりました。
そのせいか番組全体が幾分明るい印象に。
そろそろ今までのナレーションに慣れて来た耳には少し違和感があったけれど
2ヶ月経って「こうしてみよう」と模索しているオダギリ氏の様子が伺え、嬉しくなりました。


子供の頃の私は昆虫が好きでカブトムシやクワガタ捕りに熱中し、本を読んでは採集方法をリサーチしていましたが、
その時によく出た木の名前が「コヌギ」「ナラ」「ブナ」。
私の住んでいた場所は間違いなく田舎の山地でしたが、山々は杉やヒノキなどの常緑樹がほとんどで
「一体どんな木なんだろう?」と思っていたことを思い出しました。
山全体、森全体が生きている白神山地は、まるで横たわった人が胸を上下させて呼吸しているように見えます。
自らが吐き出した息は雨や霧になってまた自らを潤し、地下水を木々や草花が吸い上げる様子はまさに毛細血管の働きのよう。
「地球は生きている」ということが目に見える貴重な場所です。
しかし世界遺産に登録されたことがこの山地の姿を変えつつあるという皮肉な結果に。
世界遺産に登録されるということは、そこでの暮らしや文化もまるごと守られるものだと思っていました。


「今日は白神山地か!習ったよ!」と嬉しそうな娘が生まれた1993年、白神山地世界遺産に登録されました。
娘が二十歳になったとき、白神山地は今の姿を変えずにそのまま在る事が出来るでしょうか。