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「小次郎つばめ返し」

戦い済んで日が暮れて

鎧兜で全身を固めた私が迎えた相手は意外にも若い女性だった。
目をしっかり見ながらフレンドリーに話しかけられ、娘は5分で警戒心を解き初める。
クラス1桁の人数の中で上位にいる娘はまさに井の中の蛙
全国的な模試の結果に少なからずショックを受けたようだ。
「お子さんの普段の勉強の様子をご覧になって如何ですか?」
・・・・・・・・・・ご覧になってないので夫婦2人とも実にコメントしづらい。
世の親は子供が勉強をしている様子をいつも見守っているものなのだろうか?
「いつも勉強は教師をされているお父さんが教えてらっしゃるンですか?」
「・・・・・いや教えていないです。」
「あ、じゃあお母さんが?」
「・・・・・特別教えてないです。」
うちは一人っ子にあるまじき、教えるどころかほとんど勉強しろとか宿題しろとか言ったことがないのだ。
〜は如何ですか?と、聞かれる度にハァ・・・とかサァ・・・・・とか曖昧に答えるコトしかできない親は
さぞ頼りなく見えただろう。


1時間後、なおもテンション変わらず説明を続ける女性とは反対に次第に夫婦には疲れが出てきた。
人の話を集中して聞くのは学校の1時限と同じくやはり50分が限度だ。
さらに1時間後、とうとう旦那が我慢できず表で一服。
時刻はさらに進み夕方4時前。
調子の出てきた女性に反比例し、体力気力的に限界の私たちはヘロヘロ。
最終的には娘の「やってみたい。」というお願いと
旦那の「まあ(教材が)よく出来てるんじゃないの。」のことばについに小次郎城陥落、
3時間で見事に落とされてしまったのである。
きっぱり断るぞと意気込んでいたのに・・・。
悔し紛れに
「でも良い大学に入ることが最終目的じゃないですから。」
などと言ってみるが説得されてしまったあとでは虚しく響くだけ。
帰る間際には女性に
「お母さん、名刺はこのファイルに入れておきます。」
忘れないでくださいねと何度も念を押され、しっかり私まで見抜かれていたのであった。
敵ながらあっぱれ。