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「小次郎つばめ返し」

重版出来! 第8話

万年床で牛露田(後田)(康すおん)が紙に向かっていたとき、
希望が見えたような気がして一瞬弾んだのであります。
それだけにペン先のぶるぶる震えた線がショックでショックで。
後田父は漫画への情熱を忘れていたわけじゃなく、
気持ちはずっと漫画に向かっていたんですねえ。

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/story/ep8.html

後田父は漫画と自分が妻の死を早めたと悔い、
アユちゃん(蒔田彩珠)は父親と漫画のせいで母親の人生は不幸だったと恨み、
2人にとって大切な人の存在が大きすぎて、互いの顔が見えなかったようです。
背広を着て、かつてそこで先生と呼ばれた大きな出版社で、
漫画家として絶望的な姿を見せながらも契約を済ませた父は、
「バッチリ決めてきたぞ」と精一杯かっこつけて娘に言いました。大人だから。
14歳はもう分かってる、希望も悲哀も困難も愛情も。
精一杯の父親をかっこいいと思ってくれればいいな。

河さん(濱田マリ)にとって特別な作品が『100万オトメバイブル』、
中田伯くん(永山絢斗)にとって特別な作品は
沼さん(ムロツヨシ)のネームのようです。
初めて感じた嫉妬や戸惑いや焦り。
中田伯くんは空っぽの引き出しを、今ギュウギュウにしているところです。

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ジャンルに限らず、誰にでも自分だけのバイブルのような作品があります。
今もひょっとしたら生み出された作品が、
知らない誰かの人生に寄り添っているかもしれない。
そんな仕事ってなかなか無いんじゃないかなと思います。
だからどんなに時代や価値観が変わっても、
リエーターさんたちには大切な作品に向けられた1人のナイフのような言葉より、
100人の声援を信じて欲しいと思いました。