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「小次郎つばめ返し」

東映特撮公式配信記念『EPISODE41 抑制』

抜けないように返しの付いた太い銛が肩を貫通し、
勢いで後ろの壁に飛ばされて宙づりの磔状態になる…
思わずぎゃー!!!!と叫んだ2000年、清々しい日曜日の朝でした。
いやもうこれほどショッキングなヒーローのやられ描写はありません。

銛を抜くときのオダギリ氏のアフレコが生生しくて、
声アテの時に後ろのイスに座りこんだシーンの一つじゃないかと想像します。
(参照:怪獣ラジオ#27オダギリ氏の弁より)
肉を断ち、血しぶきを上げて地面に叩きつけられるクウガ
次の画面では、もう何でもないような顔をして肩を撫でる五代の姿。
前シーンとのちぐはぐさが、
五代の身体が人間から遠く離れたものになりつつあることを
私たちに思い出させます。

その言葉を聞いたときの私のショック。
「そうだよ綺麗事だよ、だからこそ現実にしたいじゃない…
 だって綺麗事が一番いいんだもん」
こういう言葉に出会ったとき、この言葉はどこからやってきたんだろうと
思う事があります。
溢れる気持ちが前に出すぎて途切れる息、
五代雄介が自分の中から懸命に探し出した言葉としか
思えないからであります。
脚本家さんの打ち出した「文字」は、
登場人物を通って命を持った「言葉」になる。
クウガにはそんな言葉が溢れています。
もちろん私たちがその人物との間に積み重ねてきた
役柄への信頼があるからこその真実味でしょう。

「これでしかやりとり出来ないなんて悲しすぎるから」
【本日のシナリオのト書き】
その表情はまるで泣き顔のピエロのようだ