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「小次郎つばめ返し」

『S -最後の警官-』 第10話 最終回の正木圭吾

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みなさま、魂の浮遊から戻られましたでしょうか?
ワタクシはちょっと気を抜くと幽体離脱しそうな気配です。
リピートしながら正木の言葉を追ってみると、
ワタクシの痛痛しいクウガ脳の妄想が、単なる妄想ではないような気がして参りました。


「あいつらの掲げる綺麗事が通用しないことを世に知らしめた。そうだろ?」
これをオダギリ正木に言わせるのか?と。
「綺麗事が一番いい」と言って、大人たちに衝撃を与えた同じ口から出る綺麗事の否定。
綺麗事は信じない、
けど同時にそうあって欲しいと感じさせる正木の複雑な表情。
でもって、ショパンの「革命」ですよ。
この「革命」がまたクウガ脳を揺さぶるのでございますが、
(詳しくはクウガEPISODE 28あたりをご覧下さい)
なんといっても、役者が揃い、決めぜりふを言い終わるまで構えて待っている…
なんていう演出をオダギリ氏が受け入れていること自体が革命的であります。
原作を読んでないので分かりませんが、
おそらく映画では綺麗事を再肯定する役割なのでしょう。
なんだか十数年をかけた、長い長い映画を見ているような気分です。


つかあれ?おかしいな、テロ側の方が被害が大きいんですけど。
バッタバッタと高い所から撃ち落とされてるんですが、
きっと急所をハズしてるんですよね?みんな確保してるのよね?
そういう理念なんだもんNPSは。
対してテロ側の攻撃で人質とS側のだれも犠牲になってないような気がするんですけど
(致命的という意味で)
正木にしてもやろうと思えば引き金は引けたんですよ、anytime.(どうした超ハズイぞ)
先週は一號をドツキにいっただけ、蘇我伊織もわざわざ足元狙って撃ってるし、
香椎隊長には全滅するところを見せようとするだけ。(かなりSなM)
目的を果たす事以外の被害は出したくないようにすら見えます。
ソンナ テロリスト ドコニ イマスカー?(あ、イカン、アイツが降臨した)
世界で噂になっているという「国テロ」の冠は、残虐性や事件の大きさじゃなく、
あまりの美しさ故、都市伝説的に広がったからじゃないのか!?(言い切った)
いま流行の「美しすぎる●●シリーズ」じゃないのか!?


子どもの「あんな悪いヤツやっちまえ!」という感想を拾ってちょっと衝撃。
子どもの頃のヒーローや悪役は永遠であります。
一世代前に永遠のヒーローとして刻まれたオダギリ氏、
今度は永遠の悪役として刻まれるのね、と妙に感慨深く思うのであります。


ただまあ、その、内容的に漬け物で言えば発酵しきれてないというか、こなれていないというか、
そんな印象があったドラマでございます。
全てのことが微妙にずれ、何かが足りない。
もうちょっとで美味しくなるのに…というジレンマを感じるのであります。
映画では一番美味しい時期に頂きたいものでございます。