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「小次郎つばめ返し」

ちょっとしたホラー

ショートから帰宅したバアちゃんは、いつもの別人28号ではなく、
違う意味で別人28号でありました。


「日長一日喋り続ける5才くらいの女の子が施設にいてねえ、
 あんた知らない?ほらペチャクチャペチャクチャ喋り続けるあの子。」
小さな子が入所者の面会でも来たのだろうか、
何処の子だろうと思い巡らしていると、
「あの子が死んだのよ。」とギョッとすることをいうのであります。
さらにギョッとしたのは、
「その子死んでるのに、ご飯もおかずもキレイに食べてね。
 私、今までにあんなの初めて見たよ。」という言葉でありました。
寮母さんに抱かれたその子が、目を瞑ってモグモグする様子を再現するバアちゃん。
そこでようやくバアちゃんの脳内ストーリーであることに気付いたのであります。
別人28号のバアちゃんの関心事は、
その子が「死んだ」と言うことよりも、「死んだのにご飯を食べた」と言う事よりも、
「一日中同じ事を喋り続けていてうるさかった」と言うことでした。


そしてバアちゃんは、その話を夕飯の間中、繰り返し喋り続けたのであります。