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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 龍馬伝 第3部 第35回 『薩長同盟ぜよ』

男が「わしがしようとしとることを教えるけえ」と自分だけに大事や夢を語ったら、
そりゃもう「わしに惚れろ」というダメ押しでしょう!
女はいよいよ覚悟を決め、腹を据えるしかありません。
突き放すつもりで発した言葉は、強い磁力となって余計相手を引きつけるのであります。
こういう天然な「たらし」発言で老若男女を惹きつける龍馬に弥太郎が嫉妬するのも無理ない気がします。


その弥太郎の調子の良い事といったら!
自分が孤立無援、絶体絶命のピンチに必ず現れる龍馬に
プライドも外分も捨て、目が思い切り縋ってますよ。
ツンデレって古来からの日本文化なのね。
なぜ弥太郎が新選組の屯所で龍馬の名前を出したのか?
見回り組に押さえつけられる新選組と下士の自分たちを重ね合わせたのか、
薩摩や長州、幕府にまで目を付けられる龍馬の大物ぶりを目の当たりにして嫉妬したからなのか、
繊細で複雑な弥太郎の心の中は、大雑把なワタクシには計り知れません。


脚本家の方が山口県人だからなのか、私が山口県人だからそう思うのか、
長州藩の立場や思想がとても丁寧に描かれてますねえ。
初登場の「ぐるヒゲ付き」が嘘のような、生真面目で清冽桂小五郎
追い詰められながらも、長州の面目を立てようとする姿は痛々しい感さえ覚えます。
この大盟約の座についたのは、西郷、小松、桂と龍馬であったかもしれませんが、
龍馬が三吉慎蔵に言った様に、志を同じくするその他の多くの人々と
先に散った人々の思いや願いが、確かに彼らと共にあったことでしょう。