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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 龍馬伝 第2部 第21回 『故郷の友よ』

武市半平太が初めて大殿様に逆らったのは、国のためでも藩のためでもなく、妻のためでした。
武市と冨が過ごしてきた時間を煮詰めると、最後に残ったのは純粋な「夫婦」という結晶。
それがあの短くも濃い朝餉であったと思われます。
武市と冨は最後の瞬間までこの結晶を胸に抱き、支えとして過ごしていくのでしょう。


では容堂が血も涙もない人でなしかと言われれば、一方的にそうとも言い切れず。
時勢が変わったとか、用なしになったとか言う事だけでなく、
武市のために容堂公も心の支えであった東洋を失っており、
以蔵が追われるのもまた、以蔵によって大切な人を奪われた一方から見れば同じ理由であります。
憎しみが新たな憎しみを呼ぶ、まさしく負のスパイラル。
そして、「八月十八日の政変」で新たな憎しみが生まれてしまいました。


御所で一触即発の長州と薩摩。
大変緊迫したこの時、新選組がお花畑を守らされたのかと思うと、涙も滲んでまいります。
http://d.hatena.ne.jp/usagitokeme/20040614
情熱が一方的に空回り気味で時には疎まれ、適当にあしらわれた事を思えば、
勤王党も新選組も似た立ち位置だったかもしれません。
正しいか、正しくないかは別としても、
私欲抜きで国のために命がけで信念を貫き通す彼らの真っ直ぐさに心をゆり動かされ、
羨ましさと諦めの混じったため息が自然と出てくるのであります。
龍馬伝の後のニュースを見ると余計に。