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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 龍馬伝 第2部 第18回 『海軍を作ろう!』

進んだ文明、技術への驚き、学ぶことの楽しさ、足りない全然足りないと求めるどん欲な知識欲、
埃っぽく汗臭い画面の中で、眼だけギラギラと輝く見たこともない日本人たちがおりました。
知らない事を恥じず、失うことを恐れず、ただ前へ前へと漕ぎ出すことに集中するシンプルさ。
なんとも力強い。
何よりこのドラマは、風を切って走る咸臨丸が海面に起こした大波のように、
弱った日本人の心を揺さぶります。
年老いて精気を失った老人のような現在の日本。
その日本の若者たちの心にも大波小波が届けばいいなと思うのでありました。


怪物山内容堂の攻撃がついに始まりました。
容堂公の押したリベンジスイッチで、あらかじめ仕掛けられたワナが一斉に動き出し、
一番効果的にダメージを与えられる方法で、ジワリジワリと武市を追い詰めます。
それはまるで瀕死の昆虫を弄ぶ犬のようでありました。
部屋へ一人置き去りにされた武市は、時代にも取り残されたようです。


光が明るければ明るいほど、陰の暗さも色濃くなります。
海軍を得た龍馬や各藩士たち、土佐勤王党の出向組のまばゆい前途とは反対に、
暗い部屋にぽつねん武市。明暗の対比がますます強調されてきました。
いったんは明るい場所に出てきた以蔵が、どういう風にして暗がりへ戻ってしまうのか、
感情移入して見れば胸の痛むことではありますが、受け入れるしかないでしょう。