しかし１０年前にも同じ事思ってましたけど

壁に向かって置かれたソファ、通路の真ん中で綺麗に揃えられたスリッパ、バラまかれた薬、
半分閉められたカーテン、中央まで移動したパソコンデスク、広げられ踏まれたオダギリ蒐集、
開きかけた冷蔵庫の中にかじられたピーマン、
家に帰るといつものようなジイちゃんワールドでございました。
意図があってそうされたような現場に、きっとコナン君も頭を抱える事でしょう。
家の中の配置をスッカリ忘れたジイちゃんは、近頃１人でリビングへご飯を食べにくる事も出来ず、
全ての移動に人の手が要るようになりました。
うーん、やっぱり他の人が勧めるように、本格的に次の選択をせねばならないのか？と思いつつも、
廊下で迷っている冷たいジイちゃんの手を取ってリビングに誘導すると
「やれアンタが迎えに来てくれた。嬉しい嬉しい。」と笑顔を見せられ、
『いや、どう考えてもあと１０年くらいのものだ。たった１０年くらい頑張れる。』と思い直すのでありました。