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「小次郎つばめ返し」

味見は印刷所で♪

映画館へ行く道のりは、山越え、谷越え、ダム越え、街灯無し、民家無し、一部セメント舗装、通る車少なし、
大げさではなくガス欠でもしたら確実死んでしまう・・・という秘境の連続です。
その途中、道路の傍らに数年前から「ふくろう堂 パン」と書いてある小さな手作り看板が置いてあり、
通るたびに心を惹かれておりました。
しかしその看板が誘う横道は、車の通った気配が全くなく、覗き込んでも先は薮が続くばかりで、
さすがに山育ちのワタクシも躊躇わせるのでありました。
昨日映画館から帰る途中、娘が同乗している心強さから意を決して左折してみたのであります。
左は沢、右は山の斜面で軽自動車がギリギリ通る道はアスファルトがめくれ、前後左右に車体は揺れ、
それでも「あのカーブを曲がればあるのかな?」なんて言いつつ、この状況を楽しんでおりました。
カーブを幾度となく曲がり、その度に坂の傾斜角度が上がり、
エアコンを切っても、排気量の少ない愛車はよじ登っているかのようなノロノロ走り。
全く整備されていない道路の両側から、草や木の枝が伸びて愛車を容赦なく叩くのであります。
いつの間にか車の下は舗装も無くなり、道幅・・・というか、これが道なのか分からなくなり、
二人が無口になった来た頃、やっと目の前の視界が開けてきたのでありました。
いや、開けて来たのではなく、頂上に近づいたというに相応しく、
気づいたら右側はガードレール無し、路肩無しの断崖、左側はすぐ山の斜面にへばりついている、
という展開だったのであります!
バックも出来ず、前に進むのも困難な場所でボーゼン・・・。
しかし私たちに残された選択はただ1つ、もう先に進むしか無かったのであります。
いやな汗をかきつつ、右側から滑落しないよう細心の注意を払って進むと、
ようやく取り残され崩れかけたログハウスらしきものが見えてまいりました。
看板は伸びた草木で見えず、その先の道は通行止め、
荒れ果てた庭に蜂が巣を作って車の周りをとび回り、
人が住んでいたであろう気配は全く感じられませんでした。
パン屋なんて無かった事より、生きて辿り着いた事に感謝しつつ、車を回転させようとした時、
なんと奥から50代らしき女性が一人出て来ました!
なんと!!!この秘境で!この廃屋で!(すんません)パン屋を営業していたのであります!!
ホコリっぽい棚に、無造作に置かれたカゴ、その中にはすでにクロワッサンは2つしかなく後は売れきれた様子。
今焼けたばかりというアツアツのフランスパンとクロワッサンを無事購入したのであります。
帰って調べてみると
[ふくろう堂 ]http://g.ub9.jp/detail.php?id=703
「こだわりは国産小麦と天然酵母!石窯で焼いてあるパン!」だそうです。
(※こんな開けた感じではありません)
山道に比較的慣れた方で、失う物は何も無い!またはパンと心中しても良いというほどパン好きだ!
と仰る方は、ぜひ訪れてみてください。