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「小次郎つばめ返し」

何の得にもならない客に、京都から電話代を使わせてスマンことでした

『京都についてアンケートを採ってるんですが。』
と電話の向こうから感じの良い女性の声がすると、ピピピと警戒信号が頭の中で鳴ったが、
つい「いいですよ。」と言ってしまった。おかしな雲行きになれば切ってしまえばいいのだ。
『京都はお好きですか?』の質問に雑誌社か観光関係のアンケートか?
と、警戒していた気持ちが緩んできた。
『京都にはいらっしゃった事がありますか?』と次も差し障りのない質問。
「学生の頃関西に住んでたので、よく行ってました。」と答えると
『今までに何回くらい、主にどこへいらっしゃってましたか?』と言われ、
「あのー・・・新選組が好きだったんですよ。だから毎週のように壬生寺へ行ってました。」
と、聞かれてもいない趣味の話をするオバサン世代の私。
『そうなんですか!私は伊勢物語が好きでやっぱりその関係の場所へ通ってました!
 ここがそうか〜って感じで楽しいですよね!』
なんだか急に親近感を持たれてしまったようだが、
伊勢物語の話をされても、悲しいかな話を広げて差し上げられない。
これ以上伊勢物語の話が掘り下げられないうちに、方向を転換しようと
「娘が今年修学旅行で京都に行って楽しかったって言ってました。」と別の方向に振る。
『修学旅行って事は何人かの班行動ですか?』
「4人です。クラスが8人なので男子4人、女子4人。」
へえ〜〜!!8人!!!とスゴイ反応。
つい嬉しくなって、
「“修学旅行専用新幹線”ってのがあって、県内のいろんな中学校から修学旅行生を乗せて行く専用車なんですよ。」
とまたまた余計な話をしてしまった。
この辺りから私と彼女の話は逸れに逸れ、彼女の学生時代の話や、
彼女が京都の田舎出身でお母さんがパートで働いている話、
将来結婚したらちゃんと子育てが出来るだろうか・・・などなど、
何故私たちは見知らぬ者同士でこんな話をしてるんだろう?と途中思わないでもなかったけど、
ついつい盛り上がってしまったのだ。


30分も話し込んだ後、彼女は急に思い出したように
『あのー税金対策とか年金対策のためにマンションのご購入とか興味はありますか?』と言った。
そらキタ!と思いつつ、
「全く無いですねえ。田舎は畑や田んぼがあるし、なんとかやってけますよ。」と言うと
『そうですよね。私は○○ホールディングスの○○と申します。またご興味があったらお電話下さいね。』
と実にアッサリと引き下がり、
最後にお互い「おやすみなさい〜。」『おやすみなさい!』と昔からの知り合いのように電話を切ったのであった。