oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

別段何の問題も無いけど

夕飯時「ひげ剃りのクリームが無いと言ってたから、今日ヘルパーさんと一緒に買ってきたで。」
と真横の義父に大声で話す義母。
目の悪い義父は前のテーブルに並んだ鮎の塩焼きを手でそっと触って確かめながら、
「ほほう、こりゃ珍しいの。」と嬉しそう。
うーん・・・勘違いしている。確実に“ひげ剃りクリーム”と“鮎”を・・・。
最近耳の方もめっきり遠くなっている。
実は話しかけた義母の耳も加速度がついて遠くなっているため、
義父のとんちんかんな返事に気付かず、
「あとでクリームをあげるからベッドの所へ取りに来てね。」と会話は続行。
「ありがとうありがとう。じゃ頂きます。」と手を合わせる義父。
噛み合ってるような噛み合ってないような(いや全然噛み合ってない)話題は終わり、
そのまま食事に突入したのである。


30分後、食事を終えたと思われる2人の会話が入浴中の私のところまで聞こえてきた。
「あんたがね、クリームが無いって朝言ってたから、『今日ヘルパーさんと買いに行こう』と思ってたんよ。
 私もいろいろとあんたのために考えてるのよ。」
と、ちょっとしつこく恩着せがましくも得意げな義母。
「うんうん本当に珍しかった。美味かったのう。」
と最後まで勘違いのまま夫婦の会話は無事丸く収まっているようであった。