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「小次郎つばめ返し」

広島テレビ「テレビ宣言」(2007.4.13)

朝のワイドショーのように数分間の出演だと思ったら、
映画のシーン、舞台挨拶の様子、オダギリ氏、リリー・フランキーさんのインタビューなど
約20分間にわたる長さ。
インタビュアーは西名さんというウサギのような大きな目のアナウンサーで、
スタジオの前振りだけでも数回つまるという、大変スリリングなお方でした。
書店の平台にオダギリ氏が表紙を飾った雑誌の数々がズラリと並び、
オダギリジョー ミニフェア』のPOPが。
オダギリ氏が今大変人気のある役者だということを印象づけてます。
(何しろこの時間帯の視聴者は年齢高めな方が多いので)
メインキャストの2人のアナは既に局内の試写で観ているらしく、
試写が終わった後、試写室の灯りがつくと足早に部屋を出る男性アナ。
泣き顔を泣き顔を見られたくなくて逃げるようにエレベーターへ向かうけど、
しっかりテレビカメラに映されてました。
リリー・フランキー氏のインタビュー>
「映像化になるということは、ボクの原作であってももう全く別の作品で、
 ボクは普通に観客として楽しみに完成するのを待ってましたから、
 ボクとはさほど関係ないぐらいの気持ちで、見ていてもすごく愛情を込めて作られた、
 丁寧で暖かな映画なので本当にスゴク楽しめました。」


画面はスタジオに戻り
「それではCMの後はいよいよお待ちかね・・・・・」
え〜と・・・、とすぐに名前が出ないくらいの緊張振り。
西名アナにとって本当に大きな仕事だったんでしょうねえ。
<TOHOシネマズ緑井での試写会>
西名アナの紹介で劇場の中段あたりからオダギリ氏と松岡監督が登場。
それと知らされてなかった観客からウワー!と歓声と拍手が起こってます。
霧山風のモジャ頭に最近よく見る羽付のチェック柄帽子をかぶり、
ロングコートのような長めのタイトジャケットにインは白シャツとネクタイ、
エンジっぽいボトムに黒のショートブーツと割とハードめ。
観客の女性達は驚きのあまり、タオルで顔を覆い、友人同士で手を取り合って喜んでますけど、
このタオルは「コレくらい泣ける!」と思って用意されてたんでしょうか。
主役のまさかの登場に本当に涙ぐむ女性も。
せっかくの舞台での挨拶は、スタジオのアナ達のコメントとかぶって聞こえず残念でした。


<舞台挨拶後インタビュー>
劇場の椅子に座り西名アナと松岡監督、オダギリ氏3人並んでのインタビュー。
「オダギリさんは、この作品の“ボク”っていうのはリリー・フランキーさんとして
 演じたのでは無いんですよね?」と西名アナ。
インタビュアーが自分で答えまで言っちゃってますよ。
「じゃ、ないですね。」としか答えようのないオダギリ氏。
「どんな気持ちで取り組まれたんですか?」
「いや、まあ自分が脚本から感じたことや思ったことを、自分なりに“ボク”という役を通して出せればいいと思っただけで、
 別にリリーさんである必要も無い話ですし、みんなが共有できる話だと思うんで、
 そういうことも含めてリリーさんと意識せず、むしろ会うことを避けて作品に臨んでましたね。」
オダギリ氏のコメントを引き取って監督、
「奇しくもオダギリ君と同じ事を原作者のリリー・フランキーが言ってますけど、
 あのー映画を見て感動された方も『だんだんオダギリ君がリリーさんに見えてきた』
 って言われるとやっぱ苦笑するんだって。
 “ボク”という感情移入出来る主人公は、見た人によって違うというか“誰かのボク”と言うんじゃなくて、
 “ボク”として存在してるんですよね、ええ。それを見て自分の人生に重ね合わしたりするんだと思うんですよね。」
オダギリ氏の話を監督が一回り分かりやすく広げるという、いいコンビネーションです。
「樹木さんのオカンと小林さんのオトンというのは実際(一緒)に演じられて如何でしたか?」
「ぼくは原作を読んでないので、原作通りというんじゃなく、
 台本でイメージしていた通りのオカンとオトンの存在でしたね。」
「親子関係を作るにあたって、自分の親子の関係を参考にしたりってことはありましたか?」
西名アナは何の意識もせず(というか前調べをあまりしてない?)、ズバーっと聞いてきます。
「まあ・・・・・参考にしてないっていうと嘘になりますけど、
 それまでの自分のプライベートな実生活を利用する必要もないほど、
 そういう関係性が樹木さんにしても小林さんにしても作れたんじゃないかと思いますけどね。」
神妙な顔で答えるオダギリ氏。
「病室のシーンでは、鬼気迫る演技がありまして・・・、すごい演技をされたと思うんですけど・・・」
ガンバレ!!新人アナ
このなんだかちぐはぐな質問に答えるのは監督。(ほっ)
「劇的なというかね、ああいう時に限って監督はあまりすることがない・・・ええ。
 みんな分かってやってくれるんですから、傍観者というより観察者かな。
 むしろたわいもないシーンでのみんなが演じる仕草、そういう所に今回気を使ったというか。
 表現をしようとしてしまうのか、何もしないのか、どういうフィルターを掛ければいいのかって事が、
 一番注意深くなりますかね。」
原作の持ち味、台本の持ち味、役者間に出来た関係性、どこをどうやってすくい取れば一番良いのか、
強面の監督が現場で何度も弱気を見せたという苦労が垣間見られるようです。


<スタジオに戻って>
「俳優さんによっては映画に臨む時、原作を読む人もいるんですが、
 オダギリさんは読まずにシナリオからくるイメージを大切にしていた“ボク”役を作ったということで。
 ただみんなが思っている“ボク”というイメージを崩さないように心かげたと仰ってました。」
まだ私は映画を見てないのでなんとも言えませんが、
原作を読まず、原作者を意識せずに演じたオダギリ氏が一番イメージに近かったという感想をよく目にします。
オダギリ氏が何かから受け取るイメージや本質は、いつもポイントのブレがなく、
よほど直感力が優れているんだろうなと思います。(まあファンの戯れ言ですが)
樹木さんとオダギリ氏の演技対決は白熱したものだったという監督に、
私たちから見ると本当の親子に見えたという西名アナ。
「ドラマチックな事が起きるわけではないんですが、誰もが経験しているような日常がつまった映画で、
 誰もが共感できる映画だと思います。みなさんは一体どんな事を感じるのでしょうか?劇場に足を運んでみてください。」
なんだかんだハラハラさせられましたが、〆の言葉に西名アナのイヤミのない素直な人柄を感じ、
これから経験を積まれると良いアナウンサーになられるんじゃかいかなと思ったアナ観察レポでした。
イラストは後日です。