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「小次郎つばめ返し」

inside:オダギリジョー vol.3

仮面ライダークウガっていう番組をやってて、毎年CDを出すらしいんですよ。」
クウガと聞くだけで心拍数が上がるのは何か悪い病気かもしれません。
今度主治医に相談してみよう。
「絶対変なのがくるじゃないですか。」
おいおいおいおいおいおいおいこらこらこらこらこら!!!
・・・・・・・・・・・これくらいツッコんでおけば許して貰えますか?
「だったら自分で作らせて欲しいって言って。」
BGMは“t”。ハズした所から近づいてくる低音が心地よい曲です。
発行数が少なかったためオークションでぐらいしかお目にかかれず、
後でファンになった方々がなかなか聴けなかった曲なので、
今回アルバムに入って本当に良かったと思います。
ただし、初回には入っていた「ち、ちょっといいですか?」と
オダギリ氏が演奏を止める声などは
アルバムの方ではギターやピアノでアレンジして消してあるようです。
「アレンジャーの方のおうちで録ったんですね。だから物音とか入ってるんですよ。
 後ろでカチャカチャいったり、子供が遊んでたりとか。」
思っても見なかった効果に満足げなオダギリ氏。
ライターをカチッとつける鳴らす音が印象的なこの曲は偶然がいい作用をもたらしたようです。
“i don't know”
なぜライブでは座ったまま演奏したんでしょう??
リズムを取る足もギターを引く手も、座っているため固定され不自由そうです。
「“i don't know”という歌詞通り、あのーほんとに“知りませんよそんなの”みたいなもんじゃないですか。」
クックックと笑うオダギリ氏。
ほんとに『知らねえよ』と思ってる人は、『知らねえよ』と意識もしてないと思うんですけど。
オダギリ氏はそう言いつつ、逆にいろんな事がものすごく気になってるということなんでしょう。
「洋楽を聴いてると歌詞とか見ないんですよ。ボーカル自体も楽器じゃないですか。
 だからボーカルとメロディとたまに聞こえてくるワード、そういう楽しみがすごく好きで・・・。」
自分の音楽にも歌詞に重きを置いてないとオダギリ氏。
これはすごく分かりますねえ。
洋楽好きの方はみなそうなんじゃないかと思いますが、
2〜3の分かる単語やタイトルとメロディで勝手に物語が頭に出来るという、
それが歌詞の意味が分かるJ-POPと違う楽しみじゃないかと。
だから私もずっと後で歌詞を読んで、全くの勘違いで曲を楽しんでいたことに気付くことが度々です。


ライブ映像は“雨音”
「音楽でも映画でもメジャーっていうものはいろんな意見が入りますね。
 ビジネス的な側面もあるんで、表現者が表現する上で立つ場所としては“いい場所”とは、
 あまりボクは思ってないです。」
自分の表現に人の意見や制約が入ることを嫌うオダギリ氏のポリシーは、
彼自身の生き方全般に通じているようです。
「まあ、ボクの考えですからね。」
と言いつつ絶対引かないぞという気持ちがチラリ。
「音づくりは自分で全部やったんですよ。ホントに何でもいいんでね、ちょっと興味を持ってもらえたら。
 それだけで幸せですよ。やりたいことを、ワガママをやってるだけなんで・・・。」
受け取る相手にも自由に受け取って欲しいのでしょう。
いつものように作品に対して具体的なヒントを出さないオダギリ氏は、
一切の制約を相手にも与えたくないようです。


<今後の変貌>
「役者をやめて音楽いきまーす!とかそういうバカな発言もしないですし、
 (カンヌでやめまーすって言ったことはもう忘れたようです。)
 役者やめて監督しまーす!とかそういうムチャを言いたくないですし、
 (いや、香川さんとの対談でもやめまーすって言ってました。)
 出来ることをしっかり一歩一歩ちゃんと言い聞かせながらやっていきたいですね。」
うんうんうんと頷く姿は、今回のCDが納得いくものであったことを伺わせます。
こんな風に自分に言い聞かせ、何かを得ながら歩いていくオダギリ氏の表現者としてのこれからを
楽しみにしたいと思います。
おわり