ナレーションはオダギリ氏で

主任の実家は地元で『神々の里』と言われ、雲が眼下に見える山のてっぺんに位置する。
ここで育つ野菜は神々のご加護により驚異的なサイズに成長すると言われている。（人間も含む）
今朝も片手では持てない程に成長した野菜達を主任が会社に持ってきた。
来社後すぐにキバコさんと私はこの野菜達を山分けにしたのである。
私の本日の取り分は大根。
キバコさんは私が少し（だけ）忘れっぽいのを良く承知しているので、
大根を私の私物の置いてある暗室に持って行き、いつものようにカバンの横へ置いてくれた。
昼休み、私がスーパーへ買い物に行こうと財布を取りに暗室へ入ると、
私の目に飛び込んだのは、唯一私が持っているブランド『グッチ』のカバンに
巨大大根が差し込んである衝撃の画であった。
母が結婚１０周年記念に買ってくれた『７万円のグッチのカバン』。
大根の大きさにその洗練されたシルエットが丸く膨らんでいる。

なんて似合わない・・・・・・・・。

これは多分山口県中央部一（ちいせー！）、高価な買い物かごなのだ。
２００６年１１月『グッチと神々の大根』は忘れられない光景として、
私たちの記憶に登録されました。