oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

ほぼ方言にて失礼

「今日デイサービスでヘルパーさんがマツケンサンバを踊ったんよ。」
義母が耳の悪い義父に話す声はキッチンにいても聞こえるくらい大きい。
「ピカピカに飾り付けした着物とチョンマゲのカツラを被って踊るんじゃけど、私が小さい花を用意して
『いよっ!マツケン!大統領!!』と声を掛けたらヘルパーさんが大層喜んでくれて・・・。」
!!声をかけたんかいーー!!!
「他の者はポカ〜〜〜ンと口を開けて見ちょるだけじゃった。」
麻痺して左右が合わない手を叩き子供のように大笑いの義母。
「田舎モンの年寄りはマツケンサンバを知らんのじゃろう。」
いや、多分周りの人は義母の声にビックリしたんだと思うぞ。
聞き手である目の見えない義父もマツケンサンバを知っているかどうか甚だ疑問だ。
分かってるのか分からないのか義父はウンウンと頷くのみ。
「シロウトが一生懸命やってくれるんじゃけえ、盛り上げてやらんとのう。」
村ではお嬢様として通ってる義母の突拍子もない行動と若々しい好奇心と
子供のような無邪気さが私は大好きだ。


しかしそれから30分間、母の「マツケンサンバ」話が、
スーパーの魚コーナーのエンドレステープのように繰り返され、
さずがの義父もそっと席を立ったのであった。
ああ〜!置いてかないで!