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「小次郎つばめ返し」

時間って有限なのね

お腹の具合が悪い義母に作ったみそ汁とお粥の残りを食べようと
スプーンでつついているとふと懐かしい感覚におそわれ、
『ああそうか。父が入院している間、よくスプーンですくって食べさせたな。』と思い出す。
豆腐を一口食べ息苦しさにフウフウと言っていた情景が思い浮かべられる。
ベッドへ顔色をなくして横たわり、火葬場で骨になった姿を見ているのに
未だいないということが信じられない。
身内を亡くし「胸の中に生きている」というのはこういうことかと初めて知った。