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「小次郎つばめ返し」

そろばんずく

義父はこうしてくれと私に頼むとき、いつもギリギリまで我慢して言う。
だから幾分切羽詰まった言い方になるのだ。
例えば
「寒くてたまらないのに長袖がないから風邪を引いた。」とか、
「いつになったら電気毛布を除けてくれるんだ。」とか。
寒いと感じた時にそろそろ長袖を出してくれと言えばいいじゃないか。
今夜もそうだ。
私に穴の開いた靴下を見せながら
「靴に穴が開いているのに新しいのを出してくれないから擦れて靴下に穴が開いた。」
といきなり訴えてきた。
出してくれないも何も、私は靴に穴が開いてるなんて今初めて聞いたのだ。
「穴が開いてるかどうかなんて私には分からないから言ってくださいね!」
『口に出して言わないと分からないじゃないか!』なかなか気持ちが収まらない。
しかしこういうささいな諍いがあっても義父は毎日の習慣で就寝前に私のところへやってきて
「今日も一日健康でありがとう。おやすみなさい。」と言うのだ。
それで今日の全てのマイナスをご破算にしてしまう実は結構やり手な人なのである。