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「小次郎つばめ返し」

卒業証書は自分達が種から育てて作ったケナフの和紙でした

在校生が泣き始めると対面して送辞を受けていた卒業生達の顔がみるみる歪んできた。
送辞の言葉にあわせて前のスクリーンに入学式当時の写真、
行事を楽しむ卒業生たちのイキイキとした顔が映し出される。
こ、これはイカン!これは反則ワザだ。
思惑にはまらないぞだとアマノジャクなことを考えていた私も
ついにハンカチをポケットから出すことになったのである。
卒業生は全部で11名。
その半数が親の転勤や山村留学センターの卒業などでこの地を離れてしまう。


式の後教室の戻った卒業生たちはいきなり「1人ずつ挨拶を」と言われたにも関わらず、
少しも動じることなく1人ずつ前へ出て堂々と述べたのである。
6年間の感謝の気持ちと離ればなれになってしまう友へ向けた言葉。
みな独りよがりにならず思いやりに溢れた挨拶だった。
いつもはキビシイ担任の顔から涙が溢れ、
私は再度慌ててハンカチを探すこととなったのである。
教育とはこういうものなのか・・・・・。
うまく説明はできないけど子供たちをここまでにしてくれた学校や先生方へ
今までにない感謝の気持ちが自然と沸き上がってきた。
雪の朝のようなピッとした緊張感と清々しさを感じるすばらしい卒業式だった。