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「小次郎つばめ返し」

重版出来! 第6話

漫画家という職業に就きたいから漫画家になるのではなくて、
漫画を描く仕事だから「漫画家になりたいんだ」
と言うことに気付いた東江絹ちゃん。
いつの間にか大好きな漫画を描くことよりも
漫画家になる事が目的になっていたようです。

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/story/ep6.html

安井さん(安田顕)に食ってかかる心(黒木華)は、
説得しようとか改心させようとかじゃなく、
ただただ腹を立て、納得出来なくて怒っている。
ドラマ終盤、安井さんはライフスタイルを変えることなく今までの安井さんだし、
東江さんも転じて大チャンスが巡ってくるワケでなく、
中田伯(永山絢斗)は何度描き直ししても一足飛びには上手くならない。
今までのドラマのように主人公と関わることで何かが劇的に変わる事も、
主人公が導いたり人の人生を振り回す事も無い。
だから重版出来の登場人物は、
心の懸命さを見て思う事や影響される事はあるけど、
東江絹ちゃんのように、そこからどうするのかは自分で決めている。
このドラマはその塩梅がとてもいいのであります。

理想だけで仕事が出来る人は、この世にどれだけいるのだろう。
いい作品を作る事だけに向き合える人はどれだけ幸せだろう。

いろんな登場人物の顔が写し出され、被る言葉は、
俳優さんや、ドラマ制作者、視聴者みんなに向けられた言葉のように思えます。
でも誰もが持っている理想は、同じ方向を向いているわけではなく、
自分の思い込んでいる「理想」「いい作品」よりも
互いの理想がぶつかり、競い、削りあうからこそ、
自分が想像の付かないものが作れる事もあるんじゃないかと思います。

イラストは後日です。

〜〜〜〜〜余談〜〜〜〜〜
ワタクシたちは日本一「数字」に悩まされているクラスタかもしれません。
しかしこのドラマは、まったく数字の推移が気にならないのであります。
熱意、興奮、この作品が制作者さんたちに大切にされ愛されているということに、
とても安心しています。

web拍手メッセージへの返信です

>誠に誠に、いつもご心配をお掛けしております!
 計算書というと領収書のようなもので?
 残高と手数料、消費税の入った領収書のようなものは頂きました。
 銀行のような堅いところはちゃんとやっているという思い込みが…。
 今回は担保の一部所有者の義父が亡くなって1年半過ぎていたのに
 書類の書き換えがなされてなかったからかなと思ったり、
 銀行の怠慢かなと思ったり、自分が詳しく無いので、
 未だにどっちなのかよく分かっておりませんです。
 どちらにしても私の中での信用は落ちたので、
 メインバンクでしたが、いろんな引き落としや振り込みも
 郵便局などで行うようになりました。

ローン返済への道のり 7「やっぱ放っといたんかい!」

銀行の上層部の態度に憤慨しつつ午後からの就業。
ローンの担当さんが慌てて来社し、
「店長代理は土曜日はダメだと申しましたが、私がご自宅にお伺いしますので…」
と身を縮めるのでありました。
ローン担当さんと、店長代理ほか窓口さんの温度差が気になり、
「ローンの返済問題が数年越しになっている事は担当さんしかご存じ無いのですか?」
と問うと、
「いやこのことは店長代理や窓口の方が詳しいくらいで」
確かに担当は目の前のこの方だけど、
銀行の都合で長い間延ばし延ばしになっているのだから、
事情を知っているのなら、上司さんから「この度は」と気遣いの一言くらいあってもいいやん!
…と思うのが人情であります。
手の甲を前に揃え、前かがみのままの担当さん。
恐縮する担当さんは、要領も悪くて全く打っても響かない人だったけど(おい)、
転勤してきて、いきなり前担当さんの後始末をさせられているワケだから、
ワタクシ的にはモヤモヤはするけど何だか気の毒よね。
「時間はかかりましたが、何とか解決できて安心しました」という担当さんに
長い間一緒に闘ってきた同士のような気分に一瞬浸るワタクシ。

「本当に本当にこの度は…長い間放っておいてすみません。」
・*・:≡( ε:)ズコー

ローン返済への道のり 6「聖なる泉枯れ果てる寸前」

【前回までのあらすじ】
小次郎(小次郎)が家のローンのステップ返済を銀行に申し込んで早1年半。次々と思わぬアクシデントに見舞われ、事態収拾への糸口が見えないまま月日だけが過ぎるのだった。すっかり諦めムードの漂い始めた二度目の春、一括返済案を提示され、解決への道筋が。青空を仰ぎつつ久しぶりに明るい笑顔を見せる小次郎だったが…
http://usagitokeme.hatenablog.com/entry/2016/04/02/082140

「どうせ4月に入ったら『ちょっと手続き上、4月返済は難しくて』とか言い出すんでしょ?」
と、ワタクシが銀行さんにすっかり疑心暗鬼になったのは、
それまでに幾度となくプランのドタキャンをされたからであります。

  • 「お義父さん所有の建物の名義をご主人に書き換えたら本店に話しを通しやすくなる」→書類を揃えて提出するも、本店には提出されてさえおらず。
  • 「お母様がいらっしゃるところで書類の書き換えを」→義母の入所している病院に許可をもらい、指定された日に有休を取るもドタキャンが2回。
  • 「3月の終わりに一括返済」→3月は年度末だからと4月まで延期。


連絡の無いまま4月の2週目に入った頃、
4月の引き落とし日に一括返済ということで、と連絡があったのであります。
え!マジでローン返させてくれるの!?(ちょっと思考が変)
「つきましてはご主人に今週中に書類を書いて頂きたいのですが」という銀行さんに
「新学期の始まった今週は、もう土曜日しか空いておりません」とワタクシ。
や、土曜日は休みなのでちょっと無理ですねえ…と薄ら笑いの(に見えた)店長代理。
(゚Д゚)ゴルァーーー!今までどれだけそちらの都合で休みを取ってると思ってるんだ!
しかも10年前にローンの借り換えを勧められたときは、
土曜日に幹部二人して自宅にお出でになったぞ!
返すときは土曜日ではダメとはどういうワケなんでい!
全ての口座を解約してやる!
と思わず黒目になるワタクシでありました。

重版出来! 第5話

人生の岐路には聖なる予言者が辻辻に立って、
「本当にそれでいいのか?」と問いかけるらしい。

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/story/ep5.html

でも予言者は常に自分の回りに在るような気がします。
久慈社長の場合は老人と宮沢賢治の書物。
普段は素通りしていく予言者の存在や言葉も、
岐路に立って迷い、自分の心が開き始めた時に初めて気づき届く。
本当はどうしたいのか。
どうなりたいのか。
問いかける予言者の言葉は、
ひょっとして自分自身の奥底にある、本当の気持ちかも知れません。

久慈社長はかつての自分がそうであったように、
誰かの人生の辻に立つ予言者のような作品を送り出したいと思っているのでしょう。
社長が人のために役立ちたいと願う全くの利他的な善人なれば、
3,000万円の当たりくじを引き替えて、全額寄付すればいいことなのに、
受け取ってしまえば自分の運が減ってしまうからそうはしない。
あくまで自分がしたい事を優先するという、
私欲のあるスタンスが実に心地よいのであります。

帯をかけたままの本がベルトコンベヤーを登っていく時TLに溢れた悲鳴。
私も思わずギャ!と声を上げてしまいました。
本に対して、お米と同じように粗末にしてはいけないという気持ちが
殊更強く湧くのは日本人のDNAか。
作品が形になって生まれる瞬間と、破棄され死んでいく瞬間を同時に見せる。
綺麗で明るく清潔なドラマが、眩しすぎて人を遠ざけることはありますが、
「重版出来」という元気で明るいドラマが多くの視聴者や現場の人を惹き付けるのは、
暗部をも照らし浮かび上がらせるからなのでしょう。

「考えて考えて考えて、予算の中で出来る最大限の仕事をしろ」
へへー<(_ _)>
似たような仕事を受けることもある手前、
個人的に興味深かったのは装丁のシーン。
「思春期、自意識の強さ、青春…」と紡いでいく言葉。
私も連相ゲームのように浮かんだ言葉を紙に書き出すところから始めます。
また置かれる環境を想像しつつ、その場に自分が立ってみる。
誰もが同じようなことをしているんだなあと思った次第です。


〜〜〜余談〜〜〜
以前「自分たちの仕事は必ずしも社会に要るものじゃないじゃないですか」
と仰った方がおりました。
マンガに限らず、本、映画、ドラマ、音楽、絵…
確かに娯楽は無くても生きていけるかもしれません。
しかし誰かの人生の岐路に立つ予言者の言葉になるかもしれない。
やはり人には娯楽が必要で、それは誰にでも出来る事じゃないのですよ、
と熱弁したいのであります。(誰に言っているの)
イラストは後日です…といっても、もう明日6話の放送日か!

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重版出来! 第4話

「やってみたかった」「なりたかった」と思う事があれば、
過去の事にするな、今すぐやっとけ!と言いたい。

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http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/story/ep4.html

何度か人生の幕引きを見てきたワタクシの経験上、
人は間違いなく、必ず死ぬ(アタリマエ)。
これからの歩みの方が短くなってきた辺りから、
ワタクシは「出来る事かどうか」じゃなく
「やりたい事かどうか」で判断するようになりました。
初めてのこと、経験のないことは不安で一杯だし、
ひょっとして大失敗して周りに迷惑がかかるかも知れないし、
期待に添えなくてガッカリされるかも知れない。

他人にガッカリされてどうだというのだ。

ああ、あの時にやってれば良かったなあという美しい感慨は、
もともと無いもの、まぼろしと同じであります。
以上、娘と自分への伝言でした(オイ)。
そぎ落として端的に言えばそうなるけれど、
人間そんなに割り切れるものではなく、
弱さや怖さを振り切れず、実際は迷ってばかりであります。とほほー。

重版出来はお仕事ドラマとしても大変興味深い。
漫画家志望の持ち込みや、賞への応募だけじゃなく、
コミケなどに出張編集部なるものがあったり、pixivのチェックなど、
今まで待ちオンリーだと思っていた出版社の積極的な関わり方も意外でした。
漫画家がどんな風に発掘され育てられるか、
装丁、宣伝、販売の展開、そこに携わる企業や人々、
どのような難関門を通り、一つの作品が送り出されるのか、
「替えはいくらでもいる」
家族を大切にする一方、人や才能を消費するようなこの言葉を
安井さんはどうして口にするような編集者になったのか?
五百旗頭さんがモデルや俳優じゃなく
出版社の編集を目指すことになったキッカケは何か?(余計なお世話)
連載漫画の続きを欲するように、
弾みつつ次の火曜日の夜を待つのであります。

また漫画家、編集者、各関係者さんたちの絶叫、ため息、感情移入が非常に熱い!
お仕事ドラマは中の人たちから見れば、
実際の現場と比べてしまい、厳しい目、醒めた目になりがちですが、
関係者さんたちの共感を呼んでいるこのドラマは、
どうやら希望に満ちた美しいだけのストーリーではないようです。
イラストは後日です。
それまでワタクシの描いた円をご覧下さい(要らないか・・・)。

 

重版出来! 第2話

「情報誌で何やりたいんだ」
答えに詰まる小泉くん(坂口健太郎)。
「そういえば私は、いま何をやりたいんだろう?」
いつの間にか自分に問いかけていました。

http://www.tbs.co.jp/juhan-shuttai/story/ep2.html

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和田編集長(松重豊)の宿敵と思われた営業の岡部長(生瀬勝久)は、
自分で確かめ、信じたものを全力で支え応援するナイスガイであります。
すなわち自分自身を信じるということなんでしょう。
良い作品を薦めているという絶対的な自信。
忍法帳に書かれた人たちとの関わりで生じた摩擦や熱で磨かれた感性と
堆積した数十年分の経験の層。
3年経って地表に這い出た小泉くんは、積みはじめたばかりです。

がん‐ば・る〔グワン‐〕【頑張る】
1 困難にめげないで我慢してやり抜く。
2 自分の考え・意志をどこまでも通そうとする。我(が)を張る。
3 ある場所を占めて動かないでいる。

 

こんなに力強い「頑張れ」を聞くのは久しぶりです、
以前「頑張れ」という言葉を苦手な方が多いと聞き、
私自身もこの頃はあまり使う事が無くなってきました。
苦手な方にとっては、まだ努力が足りない、何故もっと努力しないと
責められているように感じるのかもしれません。
足元のおぼつかない子どもが歩き始めたとき、
親は手を拡げ、大抵「頑張れ頑張れ」と声をかけます。
「頑張れ」という言葉に私がイメージするのは。
強制や責めではなく、寄り添いと応援かな。

メロンヌ先生(要潤)の外見と画のギャップに転けそうになりました。
礼と尊敬の念を持って接する武士のような
三倉山先生(小日向文世)と五百旗頭さん(オダギリジョー)、
家族のように温かな愛情を通わせる八丹先生と菊池さん(永岡拓)、
次回メロンヌ先生と壬生さん(荒川良々)はどんな関係を築いているのか。
「仕事に人生をかけてもね…」とつぶやく編集者、
会社を辞めてまで漫画家を育てることを選択した編集者、
営業部長と編集長との過去、
1人とんでもなく浮世離れした編集者など
漫画家だけでなく、様々な編集者たちのエピソードも楽しみです。