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「小次郎つばめ返し」

東映特撮公式配信記念『EPISODE36 錯綜』

囚われのイメージのOP、強い陰影、嫌な暗示。
前回を引きずったまま、長い長い一週間を過ごしたワタクシの中では、
妄想の発酵が進んでおりましたが、
席を譲る子どもに微笑む五代を見て、拍子抜けしたと同時に、
ああ、いつものように自己解決したのねと安心したのであります。
この笑顔に何度誤魔化されたことか。
というか、今思えばそう私が思い込みたかったのかもしれません。

桜子さんは初めから何度も五代を止めようとしていました。
ひょっとしたら直感的に気付いていたのかもしれません。
最初はボンヤリとした不安。
しかし自分の仮説を否定するものを探せば探すほど確信に近づいていく。
逃げるのをやめ、研究者として真実と向きあったとき
一番怖れていた可能性に行き着いてしまいました。
「ダグバとクウガが元は同じものである」
五代がバイクにペイントしたり、エプロンに刺しゅうしたり、
クウガマークをやたら嬉しげに身につけていた微笑ましいシーンは、
個々の印章を持ち、名乗りを上げていたグロンギの習性を
無自覚に表していたのかもしれません。
癒されていたシーンに埋め込まれた恐ろしい暗示。
とすれば、何という脚本力…

榎田さんから伝えられる一条さんに熱い四号語り、
「いかに四号が正しくて、強くて、尊敬できる存在で
 いろんな批判がある中で、どんな気持ちで戦っているか」
その話を聞いた五代が照れくさそうにコーヒーを飲んでいたシーンですが、
シナリオの五代のト書きはこちら。
『その事実を初めて知り、言葉にならないほどの感激とくすぐったさを感じている』
せめて微笑ましい気分で〆たいと思います。