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「小次郎つばめ返し」

NHK放送90年ドラマ『経世済民の男 高橋是清』 後編

http://www.nhk.or.jp/dsp/keisei/korekiyo/
史実をほとんど知らないワタクシにとって「おもしろいドラマ」になる肝と
経済や近代史に詳しい方たちにとっての肝が全く違う場所にあるのは、
大層興味深いものでございました。

私にとっての面白さは、登場人物の魅力、文字ではない言葉、
邪魔をせず寄り添うBGM、脚本家の的がクリアなど、
一方経済、近代史オタさんたちにとっての面白さの優先は、
当然抑えるべき政策や思想、人間関係がキチンと描かれているかどうかで、
今回オタさん的にもの足らなく感じたのは
おそらく時間の関係上そぎ落とした部分でありましょう。

実際史実を読むと、高橋是清という人は、
人生のどこを切ってもトンデモエピソードだらけ。
ドラマにとっても捨てるところがないほど美味しい素材なのに、
時間が無い故に一口食ってあとは捨てちゃうのは実に勿体ない。
そんな男を2時間でワクワクを残しつつ纏めた力は大したものでございますが、
いきなりの置いてけぼりワープ感と表面をなぞった感は否めず。

是清は国民にどのように愛されたのか。
是清はなぜ、誰によって殺されたのか。

多くの人が望んでいたように、長く時間を取って欲しかったというのが
正直な感想でございます。
超高速高橋是清じゃなく、通常速度で生涯を丁寧に積み重ねれば、
是清の人柄、信条、人間関係、政策がより厚みと深みを増して、
ただのドラマ視聴者のワタクシ的にも、経済・近代史オタさん的にも、
満腹感のあるドラマになったと思われます。

〜〜〜〜〜役者オタ的感想〜〜〜〜〜
オダギリ氏の見事な老けメイクの未来予想を見た上で、
この先どんな未来がこようともオダギリ氏に対する信頼と愛情は、
まったく揺るぎないと再確認し、ますます元気で稼がねばならん!と
決意を新たにした次第でございます。
にしても青年期のオダギリ氏の若々しさは、ちょっと度肝を抜く程であります。
多分青いキャンディ赤いキャンディを持ってるんじゃないかと思います。
(何の事?と思われる方は…、あ、ここにはいらっしゃらないか)
採寸のキチッと合った()クラシカルスーツのシルエットが美しすぎて、
切り絵にしたいと思ったほどであります。
高橋是清という政治家をあの時間帯に演じることで、
普段はあまり役者オダギリ氏と縁のない年代の方々、
映画やドラマに興味の無い方々、たまたま目にした方など、
氏の演技を多くの方々に見て頂いた事は大変嬉しい事でございました。
思いも寄らない提案をしてくれるNHKさんは、
オダギリ氏の既存のイメージや実績より、
まだ見た事のない可能性に興味を持って、面白がって下さってるように感じます。
どうかこれからも氏の体温を上げるような提案を
ドンドン持ちかけてくださいますようお願いいたします(何者のつもり)