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「小次郎つばめ返し」

『アリスの棘』 第5話

「家族といってもいろいろですね」という明日美の言葉通り、
アリスの棘ではいろいろな家族が出てきます。
主要な登場人物の家族が必ず描かれてるんですねえ。
明日美親子の情愛はもちろん、
西門優介(オダギリジョー)と妹
盤台教授親子(岩城滉一中村蒼
ナース星野(栗山千明)の家族
1話の伊達(藤原紀香)夫婦
2話の千原(ココリコ田中)の家族
3話の日向弁護士(尾美としのり)夫婦
4話の萩原(榎木孝明)と娘
5話の有馬教授(國村隼)の家族
ドラマの中では登場人物の背景や利用するものとしてサラリと描かれますが、
ひょっとしたらドラマの軸は「復讐」じゃなく、
意外と「家族」にあるのかもしれません。


15年前の詫びとして明日美を手助けし、サポートしているように見える西門ですが、
別荘の証拠探しの際の焦りと苛立ちをみると、
単に明日美のためだけという感じでは無さそうです。
視聴者にも西門の不穏な気配が伝わっているようで、
「西門くんが裏切りませんように」という感想が多くてちょっと笑いました。
今回有馬教授と西門の確執を匂わせたことで、
アリスの棘の復讐劇が明日美親子だけじゃなく、何層にも重なっていることが分かります。
加えて復讐された側に生じる新たな復讐心。
「必ずお返しはする」死んだ日向弁護士は西門にそう告げましたが、
眠りの森の美女で魔女がかけた呪い(日向の仕掛け)のように、
今後西門は窮地に立たされる予感がします。
またナース星野の復讐も始まるようです。
主人公の明日美以外、誰一人本心が見えないこのドラマは、
視聴者に明日美と同じ緊張感と先の見えない恐怖感を強いります。
様々な人の思惑や本心が薄いベールとなって積み重なり、芯が全く見えません。
一見、1話ずつ真実を暴きベールを剥いでいるようで、ますます見えなくなる核心。
久々に次が待ち遠しいドラマです。


と、まあ、ワタクシがオダギリ氏の芳香についてあまり吠えない時は、
ドラマ本編に嵌っている時であります。
ヒロインを助ける役割としてオーソドックスで端正すぎるルックス、言葉、行動は、
一切のオダギリ香を排除していて、食えない顔を装う危うい青年西門優介にしか見えません。
エロ刑事、もさい探偵、新聞記者が3人集まって話してても違和感のない別人ぶりを(外見だけじゃなく)
週3日、ぜひぜひ、ご新規様にもご堪能頂けたらと思うのであります。(広報部かい)