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「小次郎つばめ返し」

『アリスの棘』 第1話

TL上のかつてないオダギリビジュ絶賛にちょっとビックリした…というより怖くなりました。
こんなに全方向から褒められるのは初めてかもしれないです。
今では伝説となったヒーローも当時のひな形にはまらないことで一部に不満が出ていたし、
若者に人気を博したタケシでも最先端過ぎるファッションが時々ザワザワとさせていたし、
メインストリートを歩きたくない男が、ちょっと裏道から出てくるとこうなるのか!
一般的な服装で(ここが結構大事みたい)安住さんと食べ歩きながら、
無難に感想を言って時々あざとくフニャと笑えば、濡れ手に粟のごとく視聴者を鷲づかみ出来るでしょう。
こんなにカッコイイとは思わなかったっていうツイも良く拾いますが、
カッコ良くなったんじゃないの、むしろ戻ったのよ、というか変わってないのよ。
変わってない限り、振り切った氏の振り子は、また反対側に戻るだろうと予測しておりますが。


細やかに人物造形を積み重ね、最終話に向けて敵をジワジワと追い詰めるのだろうと思っていたら、
開始20分ぐらいで一人目六平さんのシューティング完了。
なんとラスボスに近いと思っていた大物、伊達理沙(藤原紀香)まで1話で撃ち落としてしまいました。
ゴルゴ13を思わせる鮮やかな手際と敵に対する余韻の無さ!!
コクがあるのにキレがある!!(ビールキャッチコピーかよ)
脇見をさせず一気に目的へ向かっていく展開に度肝を抜かれました。
しかし短い時間の中で蛭子(六平さん)も伊達も、クッキリと人物が浮かんでいたことを思えば、
スピード感を出すために余計な情報を省いたのではなく、
一度念密に緻密に作り上げて、そこから芯を残しザックザックとそぎ落とした感じを受けます。
その分、明日美の目的がシャープにクリアになって、視聴者には届きやすいと思いました。
人は強烈な感覚に慣れやすいもの。
今後、この濃さ、このパターンで復讐劇が繰り返されるとは思えず、
突然大きなボールが投げられ、目的地へ急ぐ明日美の前を塞ぐことになると予想(というか願望)。
本当の敵は誰なのか、明日美の向かう先に何があるのか、辿り着くゴールはどこなのか、
我々の予想を裏切る形で多いに揺さぶり続けて欲しいと思います。


さてオダギリ西門ゆうすけくん。
往年を思い出させるヴィジュアルに戸惑うことも多いんですが、
近い姿形でも明らかに違う人物造形に改めてオダギリセンサーの精密さ、
4Kテレビ並みの細やかさ滑らかな再現性に驚くのでございます。