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「小次郎つばめ返し」

いまさら『嫉妬の香り 第1話』 ジャルダン・バガテール

人間の記憶は「匂い」や「音」と深く結びつくと聞いた事がある。
オープニングを聞いた時のワタクシがまさにそうであった。
たったワンクールのドラマの主題歌を、十何年間聞いてなかったにも関わらずほぼ歌えたのだ。(だから何だ)
おそらく次の回の放送までに何度も繰り返し見たからだろうと思われるが、
第1話を見た今の時点では、マコちゃん以外どんな結末だったかまったく記憶に無い。


このドラマは当初、アーバンでオシャレな大人たちの愛と嫉妬が渦巻く深夜ドラマとして大まじめに出発したハズだった。
しかし回を追うごとに、分岐点でポイントが切り替えられ意図せぬ方向へ進んでいったように思う。
このポイントを小悪魔な笑顔で次々と切り替えていったのがオダギリ氏ではないかと秘かに心を痛めていた。
というのも、この頃の氏は売り出し中の新人ポジであったにも関わらず、
エッセンスとしては強烈すぎるインパクトで制作陣を惑わせて(言い方)本線を逸らすことがあり、
(※天体観測では脚本家が次第にタケシとユリに感情移入したと言及していた)
このドラマが伝説と化した主要因が氏ではないかと思っていたのである。
しかし再放送を見て「なんだ全員変じゃねーか」という事に気付き、
ホッと胸を撫で下ろしたのである。


繰り返される早希しゃん(川原亜矢子)のJK姿、繰り返される麝香の香り、
繰り返される ジャルダン・バガテール、繰り返されるBGMの煽り、
繰り返される未来への復讐という謎ワード、繰り返される癒しの庭、
第1話ですでに「伝説のドラマ」の萌芽を感じつつ、
その冠に相応しいドラマだったのかを再検証していきたいと思う。