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「小次郎つばめ返し」

東映特撮公式配信記念『EPISODE19 霊石』

前回の心停止を知らせるピー音から、ジリジリの一週間。
「20話そこらでヒーローが死ぬはず無い」という、
特撮のお約束による達観や余裕は、もはや頭にありませんでした。

椿医師演じる大塚さんが蘇生を試みるシーンをインタビューで、
「これは演技なのか?現実なのか?わからなくなった」と語っていました。
というのも、横たわる五代雄介の死体感。
「息を合わせてやった」と大塚さんが言ってた電気ショックで、
全身の力が抜けた五代の身体が、ベッドでバウンドする様子があまりにリアルで、
当時は演者だけでなく視聴者も現実の事のような錯覚に陥り、
一様にショックを受けていたように思います。

そして椿さんから報告を受ける一条さん、喧噪と無音。
言葉と音のないそのシーンは、どんな言葉よりも雄弁で、
一条さんの衝撃、痛みや辛さが視聴者に伝わってきます。
シナリオにはセリフがありますが、バサリと落として無音にするのは、
確か石田監督の演出だった記憶しています。

雨の降り続く暗く重いシーンから一転、
光の中から一陣の風の様に現れた白いクウガを茫然と見つめる一条さん。
これがまたっ!!!!!!!!(悶)(えーい!言葉で説明せい!)
ワタクシの気持ちが、完全に一条さんと同期した瞬間でございます!
静と動、モノトーンとビビッド、死と生、幾十にも重なる対比。
その両極の間で何度もグルングルンと振り回されつつ、
視聴後、爽やかな疲れと幸せを感じるのでありました。