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「小次郎つばめ返し」

東映特撮公式配信記念『EPISODE14 前兆』

「ちょっとチクッとしましたけどね」
ビランに噛みつかれて腕を負傷した五代。
表情と声色にやせ我慢が滲んできました。

「俺の気持ちがわかる人間なんて誰もいない」と蝶野。
「当たり前じゃないですか。人の気持ちになるなんて誰でもできませんよ」
すかさず返す五代。
咎めるワケでもなく、むやみに同調もせず、その場凌ぎもしない、
五代に言葉はいつも上っ面がありません。
誤魔化さないことが相手への誠意、
五代を演じるオダギリ氏と通じるところであります。

一条さんに自分のモテ振りをわざわざ見せつけにやってきた大人げない椿さんと
毎日命と向き合ってきた大人の椿さんの両面を見る事で
椿秀一という人の人間像が立体的に感じられます。

でもって今回も一条劇場定期公演。
人工血液でビランを自分の乗った船におびき寄せる一条さん。
もみ合いになり、川に落ちるかもしれないと分かってて
救命胴衣つけてるんだから、こんな時までスーツじゃなくていいのよ!

「おれは…」
「えものだ」
多少なりと仲間意識のあった相手に対して、蝶野が恐怖を感じた瞬間です。
五代に命を助けられても礼を言うわけでもなく、改心する様子もなく、
ただ混乱する自分の気持ちを持て余して、たまらず走り去る蝶野。
その背を見送る五代の表情を見て、なぜか切なくなるのであります。