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「小次郎つばめ返し」

『アリスの棘』 第4話

過去の中だけで生きている少女の名前が明日美。
皮肉なものであります。
実際の彼女は「少女」ではないけれど、
過去の中で生きている彼女は少女のままのようです。
また桜や虹など、一瞬眩いほどに光り輝く美しいものと
明日美の闇が常にリンクするのも痛々しい。
光が眩しければ眩しいほど影が濃くなるように、
彼女の闇の深さを表す様であります。


協力し半分背負うと言う西門に半信半疑な明日美。
ツイや感想を拾うと、視聴者にも全面的には受け入れられていないようです。
互いが利用しているつもりで、ひょっとして利用されているのかもしれないし、
または2人の様子をジッと見つめる大きな力に
彼らはいつの間にか利用されているのかもしれません。
物語はまだ折り返しにも来ていないのであります。


初回、視聴者をアッといわせた驚くほど手際のよい見事なリベンジ、
しかし回が進むにつれ、明日美の真っ直ぐな復讐は、
彼女の心の揺れが生じる中で様々な障害にぶつかりながら、
右へ左へと微妙に曲がりつつ速度を落としてきました。
これは最初からスカッとする小気味の良い復讐劇ではなく、
主人公にいつの間にか心を寄せた視聴者が、
明日美と同じく藻掻き、葛藤する物語かもしれません。
すると最終話、明日美と私たちが手にするものは何なのか。


さて、役でオダギリ氏が綺麗事を言うなと言われたのはこれで2回目であります。
雨雲の向こうの青空を明日美に見せる役割は西門なのか?
雨の後の虹を明日美は誰と見るのか。
そこのところ、個人的には結構重要なのであります(なんのことやら)