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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 八重の桜 第49回 つれづれ追記

49話を再視聴、覚馬と容保公の大事な大事な回であったことに気付き(今頃かよ)
ワタクシの目線が物語の全体を上滑りしていたことが分かりました。
いや天ばかり仰ぎ見ていたため、表面すら滑ってなかったかもしれません。

私の頭に引っかかっていた覚馬の言葉「なぜ、どうして、どこで間違えた」。
立ち上る黒煙の中で佇む覚馬が発した言葉であります。
忠義を潔癖なまでに最後まで貫き通した容保公。
孝明天皇、徳川家に対する忠誠心、真心を持って実直に懸命に尽くす会津藩
大小のエピソードが丁寧に積み重ねられ、視聴者の心をぐいと惹きつけました。
しかし戦渦を逃れたユキの一家をかくまうことを農民が拒否するなど、
領民の心が離れていたことも早くに描かれていました。


これほどまでに濃密に描かれ、視聴者の心を同じ方向に一つにまとめた前半。
これは覚馬と容保公が最終的に辿り着いたことを、
視聴者の中で大きく揺さぶり響かせるための巧妙なワナじゃないかと。
覚馬と容保公が最終的に辿り着くところは最初から決められていたように思えます。
しかし彼らの心の流れが明治期で十分に示されなかったため、
唐突または変節、ドラマの都合主義に映ったかもしれません。
思えばこのドラマは八重、覚馬、会津藩、容保公、山川兄妹、襄という小さな支流が集まり、
大きな大河を作ったというより、
本流を見ればあちらの流れに気付かず、あちらの流れに気を取られれば本流を見逃し、
いくつもの大河が別々に流れすぎたのかもしれません。


覚馬の問うた何をどうすれば正解だったのか。
道半ばどころかまっただ中のため、未だに答えは出ておりません。