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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 八重の桜 第44回 『襄の遺言』

襄先生の人生劇場、いきなりの暗転。
なにしろ一週間前には暖かくて眩しい愛の光を降り注いでいたから、
ポジティヴ脳天気代表者のように見える先生にいきなり死が迫ってきて、
予告を見た視聴者は青天の霹靂、大きな動揺が走ったのであります。


んーこれ、時系列の方が良かったんじゃないかな。
どうも史実の襄先生は心臓の他にリウマチも患っていたようで、
普段の生活に症状が出ていないはずがない。
加えて資金繰りや大学創設の準備、私学生の兵役義務保留の陳情、宣教師たちとの対立など、
心身共にストレス掛かりまくり、徐々に体力が落ちていった様子がストレートに伝わりやすいんじゃないかと。
また襄先生瀕死の姿が衝撃的すぎて、ホテルの従業員たちが
「日本に手紙を送ってやろう」などというお節介な会話が頭を素通りしてしまい、
なぜにして手紙が日本に着いてしまったん??と単純なワタクシの頭は混乱、
壮絶な先生の姿の後に、ほのぼのイチャイチャ夫婦のシーンが出てきて(いや大好きだけど!!)、
ありゃ?というすっぽ抜け間が小次郎家の居間に漂っておりました。(イチャイチャはもっと入れて!)
何しろ「これより数ヶ月前」という説明的な構成が、ワタクシちょい苦手でございまして。


<ネタバレかもしれんのでご注意を>
他サイト様の説明をば拝見すると、持ち直した襄先生は、
この後1年8ヶ月に渡りヨーロッパとアメリカを訪れ、
帰国する際にはなんと10億円の資金を得たということでございます。
じゅうおくえん!!!!!!!!
先生のたらし込みポテンシャルの埋蔵量どんだけ〜(古!)
要人に容易に会えたり、異国人から寄付を集めたり、尋常じゃないその能力が、
ドラマで描き切れてなかったのが、返す返すも惜しいなあと思うのであります。
<ネタバレ終了>


生まれたばかりの日本は刻々と姿を変えて動き、社会の流れも変わっているようで、
当然同志社英学校も波の影響を受けているワケですが、
この流れが見えにくいため、日本の変化の中で翻弄される同志社が掴みにくい。
あんつぁま!いったい今の日本はなじょなことになってるんだ!?と
山本覚馬に1話分、まるっと講釈して欲しいくらいです。
(覚馬の話なら45分間ずっと聞いてられるべ)


政治家、教育者、ジャーナリスト、国民。
平地になった日本に一つずつ積み上げては壊し、
おのおの方向性は違えども、試行錯誤してまた積み上げていくという彼らの懸命な姿を
出来ればあと20話くらい使って見たかったなと。
壊されたもののためにも、その上に作り上げる様は、上辺や急ごしらえではなく、
なおさら丁寧でなければならないと思うのであります。
今まさに新たに積み上げている途中なのですから。