oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 八重の桜 第13回 『鉄砲と花嫁』

小さな国のさらに小さな一藩が、イギリス、フランス、オランダ、アメリカという世界の列強と戦うという無謀!
ブルブルブル…。
ヘタするとお隣の県に映画を見に行くたび、パスポートがいるような事になっていたかもしれません。
んー、大変不勉強でありますが、何故圧倒的な力を持つ4国がこの機に乗じて侵攻し、
日本を分割してしまうことにならなかったのか?という、小学生のような疑問が生じたのですが、
wikiの文字を読む事に目が疲れ、断念してしまいました。
結果、自分の頭の中身は子どもでも身体の機能は老人という、誠に残念なことに気付いただけでありました。
チラリと読む感じでは、この時の賠償金も取りすぎた分は後で返却されたと書いてあったので、
すでに国際ルールが確立され、列強国とはいえ勝手な行動が許されなかったのかもしれません。
でもって、これにより戦争した相手に教えを請うという長州の転身の早さ。
東を向いて歩いていたのに、西へクルリと向ける西郷吉之助の身の軽さ。
のちに相対することになる薩長と、たやすく動かない会津との対照が興味深く描かれています。


キャスティングを聞いた時に、さすがにこれはあり得んわーと思ったのが西郷隆盛役の吉川晃司くん。
だって外見的にまったくイメージが違うんですもん。
いやそれがですね、回を重ねる毎に西郷さんとしての存在感がドンドンと増し、
こんな人だったような気さえしてきました。
そして微妙かなと思っていたもう一人が慶喜公。
さぞ薄味の慶喜公になるだろうと思いきや、
今や小泉孝太郎君の爽やかな顔が思い出せないくらいであります。


こんな少し固く小難しい時勢話の回にあって、
絶妙なバランスで所々に盛られる少女漫画のような仄甘いエッセンス。
八重の婚儀の話を聞いて、泣き笑いのような表情で祝福する山川大蔵とか、
夫の贈り物に嬉しさと愛しさを隠しきれない双葉とか、
少女だったことがある方々が、みな身もだえする香りでございます。
尚之助と八重も、離れていた2つの貝が打ち寄せる波によって少しずつ近づいてきたように
長い時間を掛けてようやくお互いの隣に身を置くこととなったのであります。
あまりにお似合いな二人の微笑ましい姿に、
もういっそ、この二人でイイジャン!コールが聞こえてくる昨今、
その辺りは中の人ファンにとっても苦しいモノでありますが、
新島襄と八重の仄甘い少女漫画風味の接近戦も見たいのでどうか勘弁して下さい。