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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 八重の桜 第9回 『八月の動乱』

山本家を通じ、会津藩の中から幕末を眺めておりますが、
弱火でコトコトと煮詰めるような丁寧な描写の積み重ねで、
登場人物に情が湧き、会津藩の身内気分で見ているこの頃。
しかし会津藩が勇ましく勝ちどきをあげたとき、
我が家はシーンと静まりかえったのであります。
どんなに肩入れしてても、こんな時フッと同調しちゃうんですねえ長州に。
50Hzと60Hzの違いのせいでしょうか。(間違いなく違う)
幕末を描くとき、長州は大抵敵役、または引き立て役であります。
逃げ落ちる公家は何故いつも転ぶのか、という疑問はひとまず横に置いといて、
一度でいいから、いつか表舞台に立たしてやってください。


でもって、つぶやき処で話題になっていましたが、
2004年の新選組!ではお花畑の回。
そうか、お花畑の回だったな〜!
俯瞰で見ると、こんなに印象が違うんですねえ。
情けなさと悔しさと悲しさの入り交じった雨のお花畑…あ、あれ?…雨の?
今回焼け付くような暑い日だったような…。
それともイイ男に水が滴って見えただけだったか?
やはり一回、お花畑の回を見直さねばならんようです。


今回意外に思ったのは、裏番がWBCだとわかった上で、
無理に盛り立てたり、注意を引こうとせず、
むしろいつも以上にじっくりゆっくりと、時には無音に近い静けさをもって、
話が進んだことでありました。
ジリジリとしたにらみ合い、ユラユラと立ち上る蒸気、
照姫の落ち着いた口調、孝明帝からの感謝状が入った黒塗りのフタを開けるたっぷりとした間、
その全体に漂う、ピンとした静けさが本当に美しいと思いました。


ようやく一歩前に出たのが八重と尚之助。
オダギリ氏がキャスティングされた時点で、
八重と尚之助の今後についてざっくりとしたアウトラインを知ってしまったワケですが、
このベストマッチに思われる二人が、どうしてそうなるんだろうと、
ついつい気持ちが先走りせずにはいられません。
しかし今は、嬉しさに瞳を濡らす八重を見る尚之助の横顔が
「八重を愛しい愛しい」と言い続けているのを傍受し、
もうしばらく、並ぶ二人を見ていたいと身もだえするのでありました。