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「小次郎つばめ返し」

育児リターン

不自由なりに動いていたばあちゃんの左手首は間接が固まり、
肘から指の付け根まで一本の枝のようでありました。
おまけに自分の意思に反して左右30度で大きく震えるため、
その手でスプーンを持って自分の口に運ぶことは、
ショベルカーで口元に運ぶくらいに不可能なことに思えました。
しかしどうしても自分で食べられるという二歳児のようなばあちゃん。
すぼめた口にスプーンが近づく度、左右に大きく揺れる指先からポロポロと落ちるお粥。
そのお粥の上に黒豆が今にも落ちそうに傾いておりました。
お粥を左右に振りまきながらゆっくりゆっくり口元に近づくスプーン。
あと少し、あと少し。
息を詰め、瞬きを忘れて見つめる旦那とワタクシと娘ちん。
唇が黒豆に触れて下に落ちたかと思った瞬間、シュルと口の中に吸い込まれていったのであります。


出来たっ!!!


3人が顔を見合わせワッと湧いた、そんな大晦日の食卓でありました。