oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

墓穴を掘る

ショートステイから帰還したばかりの別人28号の義母は、ひょいと久しぶりに覗いたご近所の奥さんと、
ウサギ並みに感度の良い耳で、九官鳥並みのマシンガントークを二時間ばかり繰り広げていたが、
老齢の女性同士の井戸端は、あの人はどうだの病気がどうだだの、周りが聞いていて楽しい話じゃない上に
夕飯時の一番忙しい時間帯で、家事を預かる者としては、いらいらがどうしても募ってくるのである。
自分の気持ちを落ち着かせるために話が漏れ聞こえてくるキッチンを出て、
犬の散歩へ行ったり、洗濯物を畳んだりしてその場を離れたのであった。
その方が遠慮無く話せる事もあるだろう。
風呂を長めに浸かって出てくると薄暗いリビングから、まだ話し声が続いていたが、
私がキッチンに帰ってきた事に気付いたご近所さんが、少し慌てたような殊更大きな声で
「それでも奥さん(義母)、いろいろあると思うけどお嫁さんは良くやってると私は思うのよ。」
というのを聞いて、「いろいろ」を聞かなくて良かったと思うのであった。