結局誰に相談したらええねん！

ショートステイから帰宅したバアちゃんは、まさに「負けたボクサーのような顔」であった。
ゴルフボール大のたんこぶでおでこから瞼まで腫れ上がったため、右目は半目で開けづらく、
顔半分がどす黒い青紫や黄色に染まった姿は異様だ。
帰宅する3日前の夜、メガネを取ろうと無理な体勢で手を伸ばしたため、
車いすごと前のめりで倒れてしまったらしい。
手をついて庇うことが出来ないバアちゃんは、まともに顔から床へ叩きつけられて強打したため、大量の鼻血を出し、
夜間に救急病院へかつぎ込まれたが、CT検査の結果、顔や頭に骨折は無いという事で安心していた。
それにしても凄まじい顔だ。
しかしそれより気になるのは、赤くパンパンに腫れ上がった右足の方である。
熱を持っているように感じるし、触ると猛烈に痛がるのだ。
たまたま次のプランを持って職場を訪ねてきたケアマネさんに、
「ショートステイ中に車いすごと転倒したようで、お騒がせしてしまって・・・」と言うと、案の定初耳だったらしい。
こんな時、相互で情報提供や報告はしないんだろうか。
「顔もスゴイんですけど、右足が赤く腫れ上がって熱いんですよ。
　ひょっとしたら、転倒をしたときに腰か足にヒビが入ったんじゃないでしょうか。」と言うと
「ほう・・・・・」と思案顔の後、
「それはそれはご心配ですねえ。では！」と颯爽と車に乗り込むのであった。