oozy Blog

「小次郎つばめ返し」

玉手箱は開けないでおこう

「老人ホームは松風荘か?」
ショートステイから戻ったばかりのじいちゃんは、
まだ見えていた頃の、50年前にあった施設の名前を正確に口にした。
今も同じ場所に存在するが、じいちゃんの記憶にある老人ホームとはずいぶん外観が違うハズだ。
「ほう、建て替わったのか。施設長は今誰か?看護婦の河本さんも働いてるんだろうのう。」
大したものだと感心するじいちゃん。
看護婦の河本さん?
いささかワタクシの頭は混乱した。
独り暮らしだった、あのおばあさんの事だろうか?
数年前に93歳で亡くなったとは言えなくて、
「もうみんな若い職員さんだよ。」とだけ言うと
「そうか定年か。河本さんも、もう70歳に近いだろうからの。」とじいちゃん。
「夏休みが終わったら、わしもそろそろ働きに行くか。」
ヤレヤレと面倒そうに言うのであった。