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「小次郎つばめ返し」

大河ドラマ 龍馬伝 第4部 第42回 『いろは丸事件』

先週「気の毒な岡本信人さん」と同情の念を抱かずにはいられなかった「いろは丸事件」。
賠償金が発生した有名な事件です。
揺るぎなき強大な権力に小さく弱き者が知恵と勇気をもって立ち向かうという、
一見「痛快な時代劇」に仕上がっておりました。
しかし「正義は我々にある!」というスローガン的目くらましではなく、
交渉に当たる際の勉強と努力と強い信念、周到に用意された資料、
そこには真実を浮かび上がらそうとする冷静且つ静かな情熱があったのであります。


薩長同盟以来、吹き始めた風が渦を描きながら段々と勢力を増してきました。
そんな中、海援隊土佐藩は日本中の関心を集める事となってしまいましたが、
諸藩はみな見守るというより傍観に近く、巻き込まれないように遠巻きに柱に捕まっているかのようです。
来週どうやら山内公が柱から手を離して、渦の中心へ飛び込むようです。
しかし龍馬と後藤象二郎。2人とも気持ち良いほどの「ツン」振りですねえ。
元祖ツンデレ弥太郎2人の「ツン」に翻弄される様子が痛々しくも可笑しいです。


龍馬の発する鋭い言葉は、紀州藩に向けられていたにも関わらず、
テレビ前でドラマを楽しんでいるだけのワタクシの胸に、いちいち突き刺さります。
おそらく多くの方が同じような感想を抱かれた事でしょう。
安全で温かい殻を内側から突き破り、初めて「世界」へ生まれ落ちた日本。
あれから150年経ち、果たして成熟した大人に成長したのでしょうか。